Research Abstract |
1.研究の目的育児に困難感を示す母親を支援するため,現在開発中の育児困難感尺度の精選,および尺度の実用化を図る。2.今年度の研究遂行状況と成果1)ハイリスク児の泣きに対する母親の情動反応の分析全国の61施設のNICUを退院する児((1)在胎週数36週未満,もしくは出生体重2000g未満の低出生体重児で,かつ2週間以上入院,(2)在胎週数,出生時体重に関係なく,疾病等により2週間以上入院)の母親のうち,署名による研究同意の得られた母親を対象に実施した調査の結果から,普段,児と接しているときと児が泣いたときの母親の情動反応について分析した。ハイリスク児の母親は,普段,児と接しているときは,受容的な情動反応を示したが,児が泣くと受容的な情動反応は低下する傾向がみられた(2008年3月,日本助産学会学術集会(神戸)にて,成果発表)。2)ハイリスク児の母親を対象とした継続調査の実施ハイリスク児の退院後1ケ月時の調査で,対象となった母親のうち,継続調査に承諾の得られた母親に対して,児が1歳頃に自己記入式質問紙調査を郵送し,児の泣きに対する母親の育児困難感,泣きに対する情動反応について調査した。1歳時点での母親の困難感は,退院後1ケ月時と比べて,有意な差はなかったが,児が泣いたときの理由や泣いたときの対処の自信,泣きに対する気がかりが1歳時では有意に低下したのに対し,児の泣きによる家族間の問題と児の泣き声からの開放に対する思いは有意に高くなっていた(2007年12月,日本看護科学学会学術集会(東京)にて,成果発表)。3)正常新生児の母親を対象とした泣きに対する困難感の成果発表(日本助産学会誌に掲載確定)
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