2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592347
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
亀田 幸枝 Kanazawa University, 保健学系, 助教 (40313671)
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Keywords | 出産 / 教育 / 効果 / 縦断的研究 / 妊婦 |
Research Abstract |
質の高い出産準備教育を提供することを視座に据え、本年度は、小集団を対象とした出産準備クラスの効果に関する調査を行った。北陸の産科4施設で開催された出産準備クラスに参加した妊婦を対象に、クラス前、クラス直後、クラス後1ヶ月の3時点で質問紙調査を行った。調査内容は、妊婦の心理的エンパワメント(以下、エンパワメント)、クラス評価、クラス後1ヵ月後時点でのセルフケア・出産準備行動の自己評価等である。130名に質問紙を配布し、有効回答はクラス直後で125名、クラス後1ヶ月で61名であった。分析の結果、以下の知見を得た。 1)クラス参加によるエンパワメントの変化:クラス後にエンパワメントが高まった妊婦(以下、上昇群)は101名(80.8%)、逆にエンパワメントが低下した妊婦(以下、低下群)は24名(19.2%)であった。 2)クラス後1ヶ月のエンパワメント:上昇群の1ヶ月後のエンパワメントは87.4±9.4点(平均±SD)であり、クラス直後89.0±9.3点よりも低下傾向を認めたが、クラス前82.5±9.8点よりも高かった(p<0.001)。一方、低下群の1ヶ月時の得点は86.3±10.2点であり、クラス直後86.8±11.2点から変化せず、クラス前88.2±10.8点よりも低いままであった。 3)クラス後1ヶ月時の妊婦のセルフケア・出産準備行動への影響要因:クラス後1ヶ月時の行動に影響力を示したのは、クラス直後のエンパワメント(β=0.43, p<0.001)、クラスで自由に質問・発言ができた(β=0.24,p<0.05)であった(R^2=0.32)。 以上より、妊婦の心理的エンパワメントはセルフケア・出産準備行動に影響する要因であり、クラスはエンパワメント支援に有用であることが示された。一方で、クラス後に低下したエンパワメントは回復しにくい可能性があることも示唆された。
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