2006 Fiscal Year Annual Research Report
看護技術熟達化のための教育方法の開発および評価に関する研究
Project/Area Number |
18592348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
酒井 明子 福井大学, 医学部, 助教授 (30303366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 浩子 福井大学, 医学部, 教授 (20300171)
磯見 智恵 福井大学, 医学部, 講師 (40334841)
月田 佳寿美 福井大学, 医学部, 講師 (50303368)
麻生 佳愛 福井大学, 医学部, 助手 (80362036)
前 泰志 福井大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50304027)
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Keywords | 看講技術 / 熟達 / 評価 / 身体侵襲 / 臨床看護 / 演習 / ロボット / 採血 |
Research Abstract |
平成18年度は、身体侵襲を伴う看護技術(採血)の看護動作によって生じる患者の身体反応動作を分析することを目的として、以下のとおり採血場面の看護動作のデータ収集と分析を実施した。 1.21人の採血場面を3方向からビデオ撮影し対象者の身体動作や表情、看護者の身体動作を分析した。採血時間は採血手順に沿って10区分とした。撮影方向(1)は場面の全体像、撮影方向(2)は、実施者の手と被験者の肩から指先まで、撮影方向(3)は被験者の顔の表情とした。1回の採血時間は126〜199秒で平均161秒であり、採血部位の変更により2回採血に要した時間は321〜475秒で平均411秒であった。顔の表情による苦痛・不安の表現(眼球運動・表情・頭部運動・四肢運動)試行中の身体の反射運動(手の動き・腕の動き・痛覚・圧覚)看護者の安全確認の方法など(視線・顔の位置)が確認できた。 2.対象者から得た採血時の痛みや感覚などの自由記述から生理・心理的データを分析した。採血手順の10段階で、不安、恐怖、痛み、痺れの感じ方に変化があった。緊張感は、物品準備時47.6%であったが、血液採取時に消失し安心感に変化した。痛みは駆血帯使用時に始まり針の刺入時に52.4%の人がピークになり、その後5%に低下するが、抜針時に再度19%と上昇した。 3.観察者から得た採血時の看護実践能力を高める看護動作の自由記述データを分析した。データ総数は239場面であった。看護実践能力を高める看護動作として抽出されたカテゴリーは、血管弾力・血管走行・逆血・神経損傷・止血・固定・疼痛・普段の採血状況などの「繊細な確認」が95場面(39.7%)、こころの準備・アイコンタクト・笑顔などの「リラックスと安心」が69場面(28.9%)、物品や身体の角度の調整などの「環境調整」が42場面(17.6%)、皮膚の伸展・駆血帯の使用方法・時間の短縮・迅速な抜針など「苦痛への配慮」20場面(8.4%)行動説明及び準備・枕の位置確認など「予測的行動」13場面(5.4%)の5つに分類された。
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