2007 Fiscal Year Annual Research Report
看護技術熟達化のための教育方法の開発および評価に関する研究
Project/Area Number |
18592348
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
酒井 明子 University of Fukui, 医学部, 准教授 (30303366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 浩子 福井大学, 医学部, 教授 (20300171)
磯見 智恵 福井大学, 医学部, 講師 (40334841)
月田 佳寿美 福井大学, 医学部, 講師 (50303368)
麻生 佳愛 福井大学, 医学部, 助教 (80362036)
前 泰志 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (50304027)
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Keywords | 看護技術 / 熟達 / 評価 / 身体侵襲 / 臨床看護 / 演習 / ロボット / 採血 |
Research Abstract |
平成19年度は、身体侵襲を伴う看護技術(採血)の看護動作によって生じる患者の身体反応動作を分析し、生体模擬ロボットのシステム評価実験を繰り返し実施し、その有効性を検証した。 1.生体模擬ロボットによる採血実験の結果 生体模擬ロボットの実験では、腕モデル、人形(患者ロボットは動かない)、固定(感情の閾値が固定)、カオス(感情の閾値がカオスで変化)の4パターンのロボットタイプに対して、規定の採血手順に基づいて看護学生8名に採血を実施した。実験時には、看護学生の緊張度の指標として心拍数を測定した。腕モデルとは、人間の腕だけを模したモデルのことであり、学内演習時に、使用頻度の高いモデルである。人形とは、生体模擬ロボットを全く動作させない状態のことで、人間の全身を模したモデルである。固定とは、生体模擬ロボットの感情の閾値を固定したものである。カオスとは、感情の閾値がカオスで変化し、笑顔・怒り・痛みの表情が表現されたものである。 実験の結果、カオスを利用したときだけ、採血行為(注射器を持つから抜く)区間の看護学生の心拍数が変化し、看護学生が緊張感をもって演習できたことが明らかとなった。 2.実験前後の看護学生のアンケート結果 対象は、採血実験に協力の得られた看護学生39名(女性32名、男性7名)である。アンケート内容は、「生体模擬ロボットが人体に近いか」「生体模擬ロボット使用した演習による学習効果」を問う内容とした。結果は、人体に近いと回答した学生が約87%であり、腕モデルよりも学習効果があがると回答した学生が89.7%であった。このことより生体模擬ロボットを使用した方が、腕モデルによる学内演習よりも学習効果が高く、有効であることが示唆された。
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