2008 Fiscal Year Annual Research Report
女性の続発性リンパ浮腫に対する外来看護システム構築
Project/Area Number |
18592359
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中尾 富士子 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 講師 (40363113)
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Keywords | 続発性リンパ浮腫 / 外来看護 / 複合的理学療法 |
Research Abstract |
本研究は、子宮がんや乳がんなど女性特有のがんに対する治療に起因した続発性リンパ浮腫患者への外来看護のシステム構築を目的とする。よって、研究者らが作成した複合的理学療法を基盤とした「介入プログラム」を用いて研究を実施した。その特徴は、対象者の日常生活に則したリンパ浮腫のセルフケアを目指すため、来院は月2回程度とし、感染防止のスキンケアと日常生活上の注意点などの教育を行い、浮腫のある患肢周囲径の変化、自覚症状、日常生活の状況についてデータ収集を行った。定期的に来院することで、セルフケアの達成度の把握と不十分なケアの内容を修正するなど、本プログラムによる介入方法の効果に関するデータを得ることができた。また、複合的理学療法の4つの方法(スキンケア・徒手リンパドレナージの実施・圧迫療法・圧迫下の運動療法)のうち、圧迫療法については、弾性包帯ではなく圧迫装具(圧迫ストッキング)とした。圧迫ストッキングは、各対象者の患肢を採寸しオーダーメイドとしたことから、包帯による圧迫同様の効果を得ることができた。ストッキングの利点は包帯を使用するより簡便であることから、「圧迫療法を継続し易い」という意見を得た。だが一方で、浮腫の治療を目的とするストッキングは圧迫力が強いため、上肢に脳血管疾患や整形外科的疾患がある場合や高齢の女性は「ストッキングを引き上げられない」など着用が困難だったり、装着に時間を要することが明らかになった。この点に関しては、ストッキングの圧迫力について、既往歴や上肢の握力を計測するなどして決定することが必要であることが示唆された。 我が国のリンパ浮腫治療に関する背景として、リンパ浮腫治療の専門施設や病院の不足や地域間格差がある。本研究の結果から、定期的に外来通院し本介入プログラムを用いてリンパ浮腫に対するセルフケア教育を行うことは、患者の日常生活への支援となることが示唆された。
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Research Products
(2 results)