2008 Fiscal Year Annual Research Report
産褥期における子宮復古現象の観察法および子宮復古を促進するケアの検証
Project/Area Number |
18592367
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
吉田 安子 Kanagawa University of Human Services, 保健福祉学部, 講師 (40285010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 恵 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (90229443)
丸山 知子 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (80165951)
杉山 厚子 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (10264540)
三谷 正信 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (70200061)
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Keywords | 子宮復古 / 産褥期 / 悪露 / 超音波診断 / 看護診断 / 触診法 |
Research Abstract |
産褥期の子宮復古が順調に経過しているか否かのアセスメントは重要な視点である。産褥入院期間における子宮復古や悪露の変化はこれまでにいくつかの研究で明らかにされているが、退院後の悪露を客観的な指標により調査した研究は希少である。本研究では退院後の悪露色の変化に焦点を当てて分析を行った。協力者は、単胎を出産し産褥経過が正常な褥婦57名である(経膣分娩後は36名、うち経産婦20人、初産婦16人。帝王切開分娩後は21名、うち経産婦15人、初産婦6人)。条件にあう褥婦に悪露判定具の使用により、退院後から悪露が消失するまで毎日1日1回悪露を観察してもらいデータを得た。経膣分娩後では、悪露の平均撲出期間は38.2±7.8日で、初産婦は40.3±72日、経産婦は36.2±7.9日で、2群間に有意差はなかった。初産婦と、経産婦の背景をt検定にて比較したところ、有意差があったのは分娩所要時間と、胎盤重量であった。初産婦、経産婦ともに塵後2週目では赤色悪露が60〜70%に見られていた。初産婦は、黄色〜白色悪露が6週頃まで続いており、経産婦は初産婦より早く淡赤色の悪露に変化していた。個々のケースで悪露の排泄と関連する身体的状況をみると、悪露の塊や卵膜様物質があった場合、赤色悪露〜淡赤色が比較的長期間にわたって排泄される傾向にあった。また、疲労や便秘、外出等のあった場合に赤色〜淡赤色悪露が出る傾向にあった。帝王切開後における悪露の平均排出期間は、初産婦34±3.8日、経産婦37±10.8日であり有意差は見られなかったが、経産婦が長かった。産褥2週目においても約半数で赤・褐色の悪露が排出されていた。また、反復帝王切開分娩後では、一か月健診時に子宮復古に関してなんらかの異常のあった者が3名おり、反復帝王切開後の観察やケアの重要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)