2006 Fiscal Year Annual Research Report
看護師のための小児救急「電話トリアージ・マニュアル」の開発に関する研究
Project/Area Number |
18592375
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
加固 正子 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (00233677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 明子 新潟県立看護大学, 看護学部, 助手 (70279850)
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Keywords | 小児救急 / 看護師 / 電話トリアージ / マニュアル |
Research Abstract |
本研究は平成16年から行ってきた「看護師のための小児救急電話トリアージ・マニュアル」を完成させ、病院救急外来および電話相談事業に携わる看護職の教育ニーズに合わせた研修の評価を目的とする。 1)米国ワシントン州シアトル市で、看護師による電話トリアージの実際(システムの概要、電話数、外来受診状況、家族の状況、およびパソコン上に示された症状別ガイドラインの使用状況)などを視察し、聞き取り調査した。視察した施設は小児専門病院の看護師電話相談センター、医療保険会社運営の地域的看護師相談コールセンター、総合病院小児科外来主の3施設であった。電話トリアージ・ナースに対する面接は3名で、電話トリアージの実際や看護師の役割について具体的に聞き取りを行った。トリアージ・ナースの特質として、耳で訴えを聞いているだけでも相手の様子が視覚的に浮かんでくるという回答が特徴的であった。面接の結果から、わが国においても電話トリアージを実施するには一定期間の訓練や電話での応答に適した資質が求められることが示唆された。 2)国内の病院における電話トリアージの実際についての調査は関東地域の救命救急病院2施設で実施し、救急外来の構造や機能、専属に電話トリアージ(相談)看護師配置の有無、看護師の勤務状況、電話数、ガイドライン等の状況、現状の問題点等について聞き取りを行った。救命救急病院には救急看護認定看護師が複数名配属されていたこと、救急外来への専属配置だったこと、外来現場でのトリアージが標準的に実施されていたことなどが認められ、その能力が電話トリアージに生かされていることが推察された。しかし、小児看護の経験の必要性については規定されておらず、救急外来受診者の過半数を占める小児患者とその家族の看護を行うための条件の調査は今後の課題となった。 他に、日本小児救急医学学会、日本救急看護学会に参加し、電話トリアージに関する講演への出席や、示説発表で関係看護師との意見交換を積極的に実施した。電話トリアージに関して看護師の関心は高いが、研究あるいは実践活動報告は極めて少ない状況であった。
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Research Products
(2 results)