2008 Fiscal Year Annual Research Report
術後大腸がん患者の適応を促すサポートプログラムが患者のQOLに与える効果の検証
Project/Area Number |
18592376
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野 道代 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (70287051)
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Keywords | 手術 / 大腸がん / 適応 / サポートプログラム / 継続ケア / QOL |
Research Abstract |
1. 概要 20年度は、介入援助実施を取り入れた調査に対する倫理審査委員会の承認を得た後、19年度に改良した介入援助の効果を説明するモデルに沿って、プログラム(目的:術後がん患者の適応行動を促す)を実施し、プログラムで提供される介入援助の効果の測定を試みた。大腸がん患者との比較対象として胃がん患者も対象に含めた。 2. 結果 調査期間中にプログラムに対する具体的な説明を行った患者は計9名(男性:5名、女性:4名、平均年齢:68.0歳、大腸がん:5名、胃がん:4名)、そのうち外来で継続して経過を追った患者は女性1名(胃がん)と男性1名(大腸ぶん)のみであった。外来でのプログラム参加を希望しない理由の一番に挙げられたのは、女性の場合は家族同伴で受診するので時間がとれない、男性の場合はプログラムの資料は欲しいが会話は必要ないというものであった。外来でのフォローに同意した2名共に退院後1ヶ月以内の外来時は体調不良のためプログラムに参加できず、2ヶ月目にはプログラムの必要性が低下していた。フォロー中に両患者がもっとも気になる問題としてあげたのは、男性大腸がん患者は「自分に対するイメージ」、女性胃がん患者「症状に対する気がかり」であった。測定尺度の結果からは特別な結果は得られなかった。 プログラムへの参加を希望する患者を予想外に得ることができず、介入援助の効果を測定するに至らなかった。改善策として次の2つが明らかとなった。(1)現時点の対象基準(術後大腸がん患者)では、該当者が高齢、男性に偏る傾向があったが、本プログラムへの関心は比較的低年齢の患者また女性の方が高かった。よって今後対象基準の変更を検討する必要もある。(2)プログラムを退院後ではなく入院時から開始するデザインに変更する必要がある。
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