2007 Fiscal Year Annual Research Report
青年期男女のニーズにあったHIV感染予防教育プログラムの開発
Project/Area Number |
18592384
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
工藤 美子 University of Hyogo, 看護学部, 准教授 (40234455)
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Keywords | 看護学 / 行動変容 / コンドーム使用 / 健康行動 / 安全な性行動 / HIV感染症 |
Research Abstract |
本研究は、Information-Motivation-Behavioral Skill Model(IMBモデル)を基盤に、青年期男女がHIV感染に対する予防行動を実行できる教育プログラムを開発し、プログラムの効果を明らかにすることを目的としている。開発した教育プログラムは、性交渉の際にコンドームを使用することを決定し、正しく装着できる内容を含み、2セッションからなる。2セッションは、小集団を対象に異なる2日間で実施する。小集団は、同性の仲間同士の構成とし、10人を超えない集団とした。この教育プログラムによる効果を測定するために、便宜的サンプルを用いた準実験研究を計画した。研究対象は、10代後半から20代前半の男女であり、研究参加に同意した男女とした。調査項目は、基本属性の他、HIV/STD関連知識、避妊法や性交渉に対する態度、妊娠やHIV/STD感染に対するリスク認知、コンドーム使用提案時の反応予測、コンドーム使用に対する自己効力感といった心理社会的要因と、性交渉の有無やコンドーム使用に関する行動である。調査は、プログラム実施前、直後、実施後1、3ヶ月に行った。本研究は、本学の研究倫理委員会の承認を得ている。教育プログラムは、19グループ、男性37人、女性57人に実施した。対象の平均年齢は、16.8±1.6歳であった。4回の調査すべてに回答したもの25人を分析した結果、性行動ならびにコンドームや膣外射精の使用などの行動は、プログラム実施前と後での有意差は認められなかった。しかし、知識ならびにコンドーム使用の自己効力感の得点は、実施直後、実施後1ヶ月、3ヶ月ともに、プログラム実施前より有意に高かった。開発した教育プログラムは、行動を変えるまでには至らなかったが、知識や自己効力感を変化させることができた。
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