2006 Fiscal Year Annual Research Report
外来がん化学療法を受ける患者・家族のセルフケア支援プログラムの開発
Project/Area Number |
18592386
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
掛橋 千賀子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (60185725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若崎 淳子 川崎医療福祉大学, 医療福祉部, 講師 (50331814)
名越 恵美 吉備国際大学, 保健科学部, 講師 (20341141)
犬飼 昌子 岡山大学, 医学部, 助手 (90331826)
礒本 暁子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (30275367)
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Keywords | 看護学 / がん看護 / 外来がん化学療法 / がん患者と家族 / セルフケア支援 |
Research Abstract |
一般病院の外来でがん化学療法を受けている患者及びその家族のセルフケア支援を行うために次のような目的のために取り組んでいる。1.一般病院の外来で化学療法を受けているがん患者及び家族を対象に、身体的、精神的、社会的な療養上の困難及び対処の実態を明らかにする。2.一般病院で外来化学療法に専属で携わっている認定看護師及び看護師を対象に、化学療法を受けるがん患者と家族に対するセルフケア支援の問題や取り組みなどの実態を明らかにする。3.上記の基礎的研究結果、及び国内外の資料や文献から、セルフケア支援の概念に基づき、特に一般病院でがん化学療法を受ける患者・家族を対象とする支援プログラムを開発する。 本年度は、患者38名(肺癌18名、消化器系がん7名、乳がん10名、悪性リンパ腫3名)と看護師1名にインタビュー調査を実施した。そのうち肺癌患者6名について内容分析を行った結果は以下の通りであった。性別は男性3名、女性3名、平均年齢は61.5歳、PSは1〜2で、4名が手術を受けていた。患者は外来で化学療法を受けながら生活する上で、<外来治療継続により生じる負担>、<化学療法の副作用による苦悩>、<安全・適切な医療の希求>、<医療者不在の生活の不安>、<がんと共生することの脅威>、<他者への欲求と気配りのアンビバレンツ>、<自分らしさのゆらぎ>、<生活の再構築への戸惑い>、<経済的な不安>を抱えて療養生活を送っていた。看護師に対しては、丁寧で親切な態度での接遇、自分の状況をわかってくれる馴染みの関係のなかで、適切なケアや安全な点滴管理が行われることなどを望んでいた。 このように患者は、外来という医療者不在の療養生活のなかで、他者へのアンビバレンツな思いや自分らしさが失われていく現実と向き合いながら、副作用に苦悩し、安全な医療を希求しながら外来化学療法を継続していた。
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