肺がん患者のセルフケア能力を高めるe-Learningの開発とその評価

2006 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 18592387
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Prefectural University of Hiroshima
• Principal Investigator: 網島 ひづる 県立広島大学, 保健福祉学部, 助教授 (90259432)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山中 道代 県立広島大学, 保健福祉学部, 講師 (60280187) ; 大西 英雄 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (10326431)
• Keywords: 肺がん患者 / セルフケア能力 / e-Learning / 生命調整 / 学習ソフト

Research Abstract

肺がん患者が自分の心身のケアや生活調整などに主体的に取り組むというセルフケアは、退院後の生活を豊かに過ごし、がんとともに人生を歩むために重要な行動である。そこで、本研究の目的は肺がん患者のセルフケア能力を高めるe-Learningの開発とその有用性を評価することであり、継続的に研究を実施する。本年度はシステムの構築と学習ソフトの作成を行なうことを目的とした。方法は、(1)ハードウエアを整備する、(2)専門家チームで内容の検討と画面展開の設計を行い、学習ソフトを作成する、(3)学習ソフトの評価・修正を行うこととした。
その結果、高年齢者が操作しやすいように入力デバイスはタッチパネルを採用し、セキュリティを考慮してハードウエアを整備した。学習ソフトの構成は対象者情報入力(治療、症状、就業状況、家族構成など)、プレ・ポストテスト(病気の受けとめ尺度・セルフケア尺度、知識の修得度など)、退院後の生活を豊かに過ごすための学習、相談窓口とした。退院後の生活を豊かに過ごすための学習内容は【病気の理解】【治療・検査の理解】【肺理学療法の進め方】【感染予防】【日常生活の管理法】【気持ちの持ち方】【異常時および症状悪化時の対応】【受診のすすめ】である。これらはHTML形式で記述し、JAVA言語を主体に質問事項に関して、受け取り手が理解しやすい画面展開を考慮して設定した。さらに、理解しやすさ、積極的な取り組みを促す効果を期待してストーリー性(登場人物のキャラクターの決定など)をもたせた画面展開とし動画を取り入れて作成した。次に研究の主旨を理解し同意が得られたA大学の看護学生を対象に、操作性や内容のわかりやすさなどから評価を受けた結果、導入画面、症状と日常生活の管理における内容とのリンク設定を追加するなど修正した。
次年度は、肺がん患者を対象に、開発したe-Learningシステムの有用性を検証する予定である。