2006 Fiscal Year Annual Research Report
乳児期の子どもを育てる親を育児困難感から開放するコミュニケーション技術の開発
Project/Area Number |
18592389
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
嶋岡 暢希 高知女子大学, 看護学部, 講師 (90305813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 綾美 高知女子大学, 看護学部, 教授 (90172361)
長戸 和子 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (30210107)
佐東 美緒 高知女子大学, 看護学部, 講師 (20364135)
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Keywords | 乳児 / コミュニケーション / 育児困難感 |
Research Abstract |
本研究では、言語的コミュニケーション手段をまだもたない乳児期の子どもと、その子どもを育てる両親が、お互いの意思疎通を図り、育児困難感を軽減できるコミュニケーション技術を開発することを目的としている。今年度は以下の項目を明らかにすることを目標とし、研究を実施した。 1)乳児期の子どもとその両親のコミュニケーションに関する資料を検討し、コミュニケーション分析のための視点を明らかにする。 2)乳児期の子どもをもつ両親はどのような状況を育児困難と判断し対処したのかを明らかにする。 3)乳児期の子どもをもつ両親は、育児困難に対処し解決するために、子どもとどのようなコミュニケーションを行っていたかを抽出する。 まず、目標1)については、医学中央雑誌により、「新生児」「乳児」「コミュニケーション」「育児負担感」「育児困難」など、関連するキーワードから文献検索を行った。その結果、コミュニケーションを構成する要素として(1)送り手、(2)メッセージ、(3)受け手、(4)フィードバック、(5)状況という5つの分類がある。新生児期から乳児期の子どものコミュニケーション手段は、泣くことや喃語、表情、その他の身体表現である。このような子どものサインを読みとり、反応していくためには、子どものサインそのものだけでなく、そのときの状況などに目を向けながら解釈することで、より子どもの理解が深まると言える。しかし文献検討から、育児困難を感じている親は子どもの喃語や表情、身体表現よりは、子どもの泣きを中心にみたり、母乳を飲まない、寝てくれないといった、親の期待を中心とした子どものとらえをしていると考えられた。子どもが何をメッセージとして送ろうとしているのか、子どものサインは何かという視点を明らかにしていく必要性があることがわかった。海外の文献については、現在検討中である。 目標2)、3)については、目標1)で述べたような文献検討から、インタビューガイドを作成中である。また、両親と子どものコミュニケーションを明らかにするにあたって、インタビューだけではなく、両親と子どもとのコミュニケーション場面をビデオ等で撮影し、分析するという方法も必要であると考えられた。これについては新生児、乳児をもつ親とかかわる臨床の助産師に、インタビューガイドの妥当性やコミュニケーション場面の分析方法について検討を依頼している。また、生後1ヶ月と4ヶ月の乳児を育てる両親を対象とした調査が可能であるか、医療施設等に確認中である。
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