2008 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの医療的ケアの自律的日常生活行動への導入に関する看護支援プログラムの作成
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18592397
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
平林 優子 St. Luke's College of Nursing, 看護学部, 准教授 (50228813)
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Keywords | 療養行動獲得 / 基本的日常生活行動 / 医療的ケア / 看護支援プログラム / 幼児期 / 気管切開 / 家族との共同 |
Research Abstract |
本研究の目的は医療的ケアの必要な子どもに、医療的ケアに関連する行動を幼児期から基本的生活習慣行動獲得のプロセスに組み入れながら実施できるように、家族および本人を支援する看護プログラムを作成することである。最終年の本年は、過去の調査から段階的に作成したプログラム試案について、具体的な医療的ケアが必要な子どもへの導入を検討し、支援モデルの修正を行うことにあった。 そこで、気管切開を行なって生活している子どもと、その家族を対象とする本プログラムの適用性を検討することとした。 関東圏の小児専門病院で気管切開外来に通院する子どもと家族へのプログラム導入を想定した。研究代表者所属機関の研究倫理審査および当該病院の倫理委員会での承認を得て、7組10名の外来受診中の子どもや家族の受信中の参加観察と、半構成的質問紙による面接調査を実施した。また、気管切開外来担当の医師3名と在宅支援部門の看護師3名に半構成的面接を実施し、気管切開を必要とする子どもと家族への本看護支援プログラムへの適用と配慮点について評価を得た。 気管切開を実施している子どもは1歳半〜2歳にはなんらかの気管切開に関る療養行動を自らとり始め、3歳時点ではカニューレ交換の参加、吸引のサイン、吸引操作の参加、入浴時の配慮など、種々の気管切開に関る療養行動を取れるようになっていた。家族は試行錯誤で子どもに働きかけており、その目安を要望していた。医療者からは、幼児期からの自律的療養行動獲得支援には価値がある、一方で発達と自律行動の関連、安全性の確保の明確化、家族の精神的負荷の回避など、プログラム実施上の意見を得た。これらの調査と評価を踏まえて、「気管切開をしているお子さんの成長にあわせた日常生活のヒント」を含めた看護支援プログラムを作成した。今後は事例によるさらなる評価と、多種の慢性疾患の幼児に適用できるようにプログラムを広げていきたい。
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Research Products
(2 results)