2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害発症後の混乱期における家族機能障害への看護介入とその評価
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18592402
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Research Institution | The University of Shimane Junior College |
Principal Investigator |
梶谷 みゆき The University of Shimane Junior College, 看護学科, 准教授 (00280131)
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Keywords | 家族看護 / 脳血管障害 / 家族機能障害 / 介入評価 / MDA(Family Assessment Device) |
Research Abstract |
脳血管障害を発症して入院中の患者とその家族(配偶者)4事例に,カルガリー家族アセスメントならびにカルガリー家族介入モデルを基盤とした看護介入を実施した。発症から1か月以内で介入を開始し,概ね3〜4週間毎に計3回の面接を実施した。[感情領域]では家族成員の感情の安定化と相互理解を,[認知領域]では拘束的な信念への介入や教育的介入を,[行動領域]では家族役割の円滑な移行や家族の主体的な意思決定ができるように看護介入を実施した。介入評価はFamily Assessment Device(MDA)を用いた量的な評価と,患者や家族の行動変容の実際や彼らの主観的な発言に基づく質的な評価により行なった。 MDAでは下位尺度の平均得点が高いほどその領域の家族機能が低下している状況を示すのであるが,2〜3か月間の短期間の介入評価としては家族機能全体が大きく変化する状況は認められなかった。しかし細部では,発症直後介護者側に増強傾向が認められた「役割意識」の得点において介入終了時には軽減が認められたこと,また患者ならびに配偶者ともに「情緒的反応」や「行動統制」の得点が介入終了時に軽減されており,家族内に生ずる情緒的な反応や成員個人の価値観で他の家族成員の行動を制限するような緊張的な状況の軽減が図られたのではないかと推測できた。 また,研究者の介入に対して対象事例の反応ことに介護を担う配偶者の反応からは,面接が状況を客観視する機会となり,一方的に自分だけが大変だと思えたり患者を責めたりする状況から,双方向で考える機会を与えられたと評価があった。
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