2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者と家族・施設職員の架け橋となるアニマル・セラピーの構築
Project/Area Number |
18592403
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
河村 奈美子 (大西 奈美子) 札幌市立大学, 看護学部, 助手 (50344560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新山 雅美 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (70001534)
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Keywords | アニマル・セラピー / 高齢者 / 人と動物 / 認知症ケア / 高齢者精神看護 / アクティビティ / ドック・セラピー / 家族 |
Research Abstract |
本研究は、介護老人保健施設および介護老人福祉施設に入所及び通所している精神行動上の問題を持つ高齢者・認知症高齢者に対してアニマル・セラピーを実施し、高齢者の身体的・精神的側面の継続的観察・評価から、動物-高齢者間における長期的かつ具体的な影響を明らかにすることを目的としている。高齢者ケアにおけるアニマル・セラピー構築のための安全性や効果を実証するとともに、介護者・看護者を含める施設スタッフのアニマル・セラピー活用による介護負担感の影響を明らかにし、今後のアニマル・セラピー活動に向けた手引きとなる資料を作成することにある。 H18年度は、研究協力施設への依頼・打ち合わせを行い、機関・時期・対象者(研究参加利用者8名程度、研究参加職員10名程度)を決定し、定期的なアニマル・セラピー活動を実施した。実施においては、協力施設のOTプログラムの一つとして実施した。(アニマル・セラピー活動は2週に1度、小型犬3匹とボランティアが訪問し、利用者の誘導など施設職員の協力を得た)ビデオを用いた観察により、犬と関わる前の時間と関った後での時間では、ボランティアとの会話に広がりが見られ、また、同テーブルについている他の参加者との話題の共有が見られた。今後、回数を重ねた場合の、評価が課題である。 また、高齢者の犬との関わりで見せる反応を理解するために、健康青年男女に対して犬を見せ、遊んだ場合の顔表面温度の変化、心拍を測定した。犬を見た場合に顔表面温度が一時的に低下するが、犬を見続け、また関わり(卓上での遊び)を開始すると、手の動きも影響するが、顔表面温度も上昇が見られることから、犬とはじめて会った場合の驚き等の一時的緊張は見られるが、小型犬(トイプードル、パピヨン、ミニチュアダックスの普段活動で使用している犬)への緊張は持続しないことが明らかになり、またかかわりを通し心拍の安定下における顔表面温度の上昇から、リラックス効果も考えられる。
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Research Products
(4 results)