Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 美砂子 千葉大学, 看護学部, 教授 (80239392)
井出 成美 千葉大学, 看護学部, COEフェロ- (80241975)
細谷 紀子 千葉大学, 看護学部, 助教 (60334182)
山田 洋子 千葉大学, 看護学部, 助教 (50292686)
本間 靖子 千葉大学, 看護学部, 助教 (20431736)
|
Research Abstract |
本研究の目的は,高齢者の社会的サポートネットワークを促進するための効果的な保健師活動方法を実証的に明らかにするものである。 本年度は,まず,保健師が関与して社会的サポートネットワークを促進している17件(15自治体)の活動を文献から抽出し,活動の特徴を明らかにした。その結果,(事業)の参加高齢者にも役割を担ってもらうことで地域のなかで社会的役割を担い自分らしく活動してもらうことや,閉じこもりや認知症の早期発見・早期対応を目的としたものが多かった。また,活動を通して,健康度の高い高齢者や地域のボランティアと虚弱高齢者,退職者同士,高齢者同士,保健医療福祉関係者のネットワークを促進していた。活動の成果としては,参加高齢者の健康面や生活面への効果,介護予防を目指した自主グループ活動の発展,日常の地域住民同士の交流の促進があることが確認できた。 次いで,上記の分析対象文献のなかから,さらに保健師が意図的に関与していると判断できた5事例を研究対象とし,保健師の活動について詳細な聞き取り調査を実施した。その結果,保健師は,単に高齢者の閉じこもりや認知症の予防だけでなく,ボランティアとなる若い世代も交流によって介護予防への関心を高めることや,地域全体の互助意識を育てることをねらって,社会的サポートネットワークを促進していることが明らかになった。支援方法の特徴としては,活動の立ち上げ時には,「日常の地区活動をとおしてネットワークづくりの必要性や優先性を見極めること」など2点,活動の継続支援として,「活動の運営を担っているボランティアやリーダーに対して相談や助言をし,彼らの主体的な運営を支える」など3点,活動を生み出しその活動を維持していくための基盤となる支援として,「地域のなかでリーダー的役割を担う住民を育成し,さらに彼らの活動を支援していくための学習会や研修会を開催する」など3点が特徴として見出された。
|