2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病を持つ子どもの自己管理行動を促すための学習支援
Project/Area Number |
18592413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
竹鼻 ゆかり 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30296545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00183731)
高橋 浩之 千葉大学, 教育学部, 教授 (20197172)
高藪 学 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10259624)
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Keywords | 糖尿病 / 自己管理行動 / 認知的スキル / 学校保健 / 学習教材 |
Research Abstract |
18年度においては、糖尿病を持つ子どもが学校生活を送るうえで抱えている課題を明らかにするために、家族および本人、実際に糖尿病を持つ子どもに関わったことのある養護教諭にインタビューを行った。その結果、学校生活においては、低血糖発作の対処やその予防のための補食に対する学校の理解不足や環境調整の難しさがあること、友人との関わりにおいて、自分の病気を理解してもらうための説明に苦労していることが明らかとなった。 一方、学校生活で子どもたちの健康管理や支援を行う養護教諭が子どもの糖尿病をどのように理解し支援しているのかを明らかにするために、2県の養護教諭に対し、郵送もしくはその場での配布回収による質問紙調査を行い、375名より回答を得た。その結果、糖尿病に関する基礎的知識10項目に関しての正解率は、6割から10割弱までとばらつきがあった。糖尿病を持つ子どもや、糖尿病の予防に関する支援に関しての6項目については、8割から10割弱が支援の必要性を感じていた。養護教諭がインスリンを必要とする子どもに対して生じる支援上の課題に関する自由記述では、インスリンの保管、自己注射や補食時の環境整備、プライバシーの保護と教職員や他の児童生徒への説明との難しさなど、多くの課題が指摘されていた。 さらに、自己管理行動を促すための学習教材の開発に向けた予備実験を行った。 上記の結果と国内外の文献を元に現在、糖尿病を持つ子どもに対し、学校生活を送るうえでの困難点を調査する質問紙を作成中である。 尚、本研究における倫理的配慮については、対象者へのインタビューや調査等の依頼においては、研究の趣旨を文書ならびに口頭にて説明し、同意を得たうえで行った。
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