2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナラティブアプローチによるうつ病者の自殺予防に関する研究
Project/Area Number |
18592414
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷川 雅美 Kanazawa University, 保健学系, 教授 (50293808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 順二 金沢大学, 附属病院, 教授 (20161846)
河村 一海 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50251963)
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Keywords | うつ病者 / 自殺予防 / ナラティブアプローチ / 認知行動療法 / 治療的看護 / メンタルヘルス外来 |
Research Abstract |
平成20年度の研究目的: 在宅うつ病者の自殺予防に繋がる効果的な看護介入について検討する 実施内容 大学病院外来で予約制のコンサルテーションを実施した。ナラティブアプローチによるうつ病者の語りを分析し、考え方の自己コントロールができるよう数回のセッションで治療的に関わった結果、自己否定や死にたい気分が改善し、生活のメリハリをつけて問題に向き合うことができるようになった。この方法で症状が改善しセッションを卒業していったうつ病者が6名いた。また研究代表者はわが国より進んだ自殺予防対策に取り組んでいるオーストラリアの自殺予防研究所で研修し、認知行動療法を基盤とした治療場面を学習してきた。ここでは行動療法に力点を置いていることから、認知と行動の両面から治療的に関わることがより効果的なうつの改善に繋がり自殺予防に寄与できることが示唆された。 本研究を通して看護者による治療的介入としてうつ病者の自殺予防に貢献する上で、(1)看護師の面接技法の向上、(2)認知行動療法の理解と技術の習得、(3)治療的介入の効果の検証といった看護者の専門的技術に対する「質」の確立が最重要課題であり、早急に教育をすること、さらに行動に繋がるかフォローアップすることが重要であることが分かった。今後は対象者の認知と行動にそれぞれ働きかけ、うつ状態から自殺企図に至らない構造化されたまた個別性を重視した具体的プログラムの作成に取り組みたいと考えている。
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Research Products
(5 results)