2007 Fiscal Year Annual Research Report
15年間の長期追跡研究による骨粗鬆症予防効果の評価と看護指導指針の策定
Project/Area Number |
18592417
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶田 悦子 Nagoya University, 医学部, 教授 (50135373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 追跡研究 / 看護指導指針 |
Research Abstract |
1990年から15年間把握している中高年女性において15年間の骨密度変化とそれに関連する生活習慣要因を把握した結果、以下のことが示された。追跡者(率)は123人(58.9%)で、高齢者の受診率が低かった。未受診理由は拒否を除くと死亡、施設入所、病気療養中が多かった。平均年齢は70.5±9.3歳、平均閉経後年数は22.6±10.5年であった。追跡時点の骨密度と変化率では,骨粗鬆症と判定された者は50歳代で22%、60歳代32%、70歳代では43%であり、80歳代では59%であった。期間中の腰椎骨密度年間変化率は、40歳代で骨密度が大きく低下し、15年間という長期間ではほぼ1%低下する。60歳代はおさまっているものの70歳代になると0.6%程度低下した。 骨密度変化率と関連因子を検討した。体重が減少した群では骨密度は大きく低下し、体重が増加した群では骨密度は上昇、あるいは維持された。握力は骨密度減少群が非減少群より有意に低かった。運動群において非運動群より骨密度低下は小さかったが、高齢者では運動の効果は明らかでなかった。有経者では1日に牛乳をコップ一杯以上飲むことで骨密度低下が抑制された。閉経者では閉経後年数別にその関係をみると、閉経後年数20年未満の者は1日に牛乳を1杯以上飲むことで骨密度低下は抑制された。15年間の長期追跡研究から、中高年女性の骨密度低下を抑制する因子として、体重、喫煙、牛乳の定期的摂取、運動効果が示唆された。これらの結果から、地域における看護指導指針を立案した。指針は予防原則とリスク対象として閉経前後及び高齢期女性に大別して策定した。
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Research Products
(3 results)