2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592424
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
三重野 英子 Oita University, 医学部, 教授 (60209723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末弘 理惠 大分大学, 医学部, 助教 (30336284)
溝下 順子 大分大学, 医学部, 助教 (90457614)
吉岩 あおい 大分大学, 医学部, 助教 (70363570)
浜口 和之 大分大学, 医学部, 教授 (60180931)
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Keywords | 看護学 / 痴呆 / 特定機能病院 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に実施した特定機能病院一施設における認知症高齢者の受け入れの実態と看護上の課題に関する調査結果に基づき、全国の特定機能病院にフィールドを拡大した調査を行い、認知症看護の実際と課題の一般化をすすめた。 全国の特定機能病院82施設(前年度調査施設を除く)の看護部長を対象に調査の依頼を行い、承諾を得られた22特定機能病院、155病棟の看護師長に留め置き式質問紙調査を行った。調査期間は、平成19年12月21日〜平成20年2月22日に実施した。質問紙の構成は、「看護の構造:認知症高齢者の受け入れの実態、看護組織等」、「看護のプロセス:看護の実際、看護チームの認識」、「看護のアウトカム:周辺症状の発生、二次的障害の発生」とし、平成19年4月から現在までの看護実践を振り返り回答してもらった。調査の実施に先立ち、研究者の所属機関において、倫理審査委員会の審査を受け承認を得た。回答数は113名(72.9%)であった。 調査の結果、認知症高齢者の受け入れ数は10名未満52.2%、20名以上が27.4%であったが、看護基準を作成・活用する病棟は14.2%に留まった。看護を行う際の重要情報は、認知症の症状47.8%、日常生活自立度21.2%であり、本人の要望や生活習慣は1割未満であった。「訴えを聴く」、「ゆっくりと話す」の実施率は90%以上であったが、「室内環境の調整」、「睡眠薬は最終手段とする」は50%台であった。認知症高齢者の看護を経験した病棟師長のうち約5割が「患者によって看護の困難感は異なる」と感じており、約3割が看護実践に対する満足度を低く評価していた。本調査より、特定機能病院での認知症看護のモデル化に向けた課題やモデルを構成する要素が明らかになった。
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