2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592426
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
波多野 浩道 Kagoshima University, 医学部, 教授 (50164851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 慎平 鹿児島大学, 医学部, 講師 (80363612)
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Keywords | ルーラルナーシング / 看護実践モデル / 離島 / 「身内 / よそ者」 / 専門職自律性 / 孤立 / ネットワーク |
Research Abstract |
ルーラルナーシング理論に基づく5つの概念(孤立、役割一致感、匿名性欠如、「身内/よそ者」、専門職自律性)を中心に、互酬性モデル(患者満足と職務満足の互酬性モデル)として看護実践モデルの評価を行い,看護実践の質改善を図れるモデルとして精緻化することを本年度の研究目的とした。 予備調査の段階で、へき地診療所勤務の看護師の入れ替わりが多く、パネル調査とするには充分なケース数が確保できないことが判明した。そこで、離島の中でも、群島属島や孤立小型離島での看護実践モデルが求められることから、狭くても深い聞き取り調査に切り替え、看護師の看護実践の形成・変容過程を把握することで、量的調査では明らかに出来なかったへき地診療所看護師の実践形成過程を看護実践モデルに取り入れることが出来ると考えた。看護師、住民だけでなく、医師や行政の立場からも、看護実践を捉えることで、本研究で開発してきた看護実践モデルを評価した。 住民と看護師のパートナーシップがアクセスを促進しているが、そのためには、住民から一定程度「身内」と扱われることが必要で、「よそ者」のまま、専門職自律性は発揮しにくい。しかし、完全に「身内」になると、専門職である前に、住民である故、匿名性が欠如するので、自律性が発揮しにくくなる。医師が非常駐の場合は、医師を始め、関連する医療福祉職のネットワークが機能するかどうかで、「孤立」が看護活動に大きく影響する。ネットワークは公的なものだけでなく、自主的なそれが形成されているところでは、住民からの役割期待が加重になることもない(役割一致感)ことが示唆された。5つの概念間の因果関係についてのモデルである看護実践モデルの事例による実証とモデルの精緻化が可能であった。
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Research Products
(2 results)