2007 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄の離島における介護基盤体制と高齢者をめぐる世代間ネットワークに関する研究
Project/Area Number |
18592427
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
古謝 安子 University of the Ryukyus, 医学部, 講師 (30305198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇座 美代子 琉球大学, 医学部, 教授 (00253956)
小笹 美子 琉球大学, 医学部, 講師 (10295313)
和氣 則江 琉球大学, 医学部, 講師 (90315474)
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Keywords | 離島 / 高齢者介護 / 要介護期の暮らし / 介護施設 / 終末期 / 看取り |
Research Abstract |
本研究は、小離島における介護体制と世代間ネットワークとの関連から地域社会の扶養能力について検討することを目的とし、本年度はデータ分析で得られた結果を、国際学会、国内学会等で報告した。 数量化III類を用いて、将来、要介護となった時の暮らし方志向を解析した結果、全体では島外家族型29%、島内家族型29%、島内単独型23%、島外単独型19%の4型に分類された。世代別でみると若年と中年が島外家族型、老年では島内家族型が多く(p<0.005)、性別では男性が島内家族型、女性は島外家族型が多かった(p<0.01)。施設の有無別で差はないが、施設あり群の若年は島外単独型、中年が島外家族型、老年は島内家族型が多く(p<0.001)、一方、施設なし群では老年の島内単独型が施設あり群の同型の1.4倍を示した。将来の要介護期に対する若年・中年の島外志向に対し、老年の6割以上は島内を志向し施設があると家族生活を、施設がないと家族よりは単独生活を望んでいた。以上の結果は、要介護期を眼前にした老年の自立への意欲と共に、終生住み慣れた島で、自宅で暮らしたい意向を示しており、他世代の島外志向が介護体制整備の妨げとならず老年の意向が施策に反映される必要性が示唆された。 対象2小離島における介護施設設置経過の聞き取り調査の内容分析から、介護施設が設置できた要因は、首長が高齢者の要望や特別養護老人ホーム(特養)の必要性を主張し、県の方針に対抗しても政策を協力に推進した点だった。また介護施設の課題として、特養では退所者の34%を施設で看取っていることから自宅で息を引取らせることを挙げ、高齢者生活福祉センターでは看取る体制が弱く7%であり、島で亡くなるまで世話することを挙げていた。住み慣れた島で要介護期や終末期、臨死期にも暮らし続けられるには、その間の世話を地域で完結できる体制が必要であり、特養の設置と共に医療職・家族との連携が重要な課題であると示唆された。
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[Presentation] LOOKING TOWARD THE FUTURE OF INHABITANTS ON SMALL OUTLYING ISLANDS OF OKINWA, JAPAN: A SURVEY ON THE FUTURE ELDERLY LIFE ISSUES2007
Author(s)
Yasuko Koja, Miyoko Uza, Tomiko Hokama, Yoshiko Ozasa, Norie Wake, Shige Kakinohana, Midori Kuniyoshi, Chikako Maeshiro
Organizer
Conference of Asia-Pacific Academic Consortium for Public Health
Place of Presentation
Sakado-city, Saitama, Japan
Year and Date
2007-11-24
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