2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害者に対する再発予防と生活の再構築にむけた訪問看護技術と効果の検証
Project/Area Number |
18592437
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 基子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (60290053)
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Keywords | 脳血管障害者 / 在宅ケア / 訪問看護プログラム |
Research Abstract |
訪問看護師が脳血管障害者の初期訪問でおこなっている看護内容を166人の訪問看護師を対象にしておこなった結果(2006)では、発症から訪問看護利用までの期間は約2年、1年以内は約3割であった。看護は全身状態の観察と評価が9割を占め、介護度によって実施項目と頻度に差があった。要介護度3は入浴介助、座位・立位訓練,生活の中でできるADLに働きかける、精神的支援の実施が高かった。この項目は要介護度4、5と暫時減少した。要介護度5では寝たきり化に伴う看護であった。また看護師は【尊重しニーズに応じる】【肯定的な結びつきをつくる】【症状と疼痛の緩和】【話を聴き自己決定を支える】の4因子からなる「気づかい」をしていた。訪問開始時期は人間関係をつくる働きかけを基に、健康状態の観察と評価及び生活のなかで機能を活かす支援をしていることがわかった。 この結果から、在宅療養開始から訪問看護を利用する脳血管障害者と家族に対し、初回訪問から3ヶ月間に行う訪問看護プログラムを作成し、対照群と介入群を設定した介入研究を計画し進めている。対象者は(1)在宅療養開始とともに(できるだけ早期に)訪問看護を開始した脳血管障害者で(2)介護度3-5、(3)寝たきり度はB・C、(4)年齢は65歳〜85歳、(5)認知症及び高次脳機能障害はコミュニケーションが可能であれば除外しない、(6)他の疾患による全身状態の悪化がない者、(7)初発・再発は問わないとした。参加する訪問看護ステーションは19カ所、各ステーションへの説明を実施中である。6月から対照群の調査を開始する。介入プログラムは専門家のヒヤリング、'プレテストを経て、対照群30ケースの確保後(12月頃から)、介入群の調査をする。評価項目はチエック表及び評価尺度を用い(1)一般状態、(2)精神状態、(3)身体能力、(4)FIM、(5)生活状態、(6)精神及び満足度,(7)介護負担感で評価する。また、評価者への説明会を5月に開催する。
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