2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害者に対する再発予防と生活の再構築に向けた訪問看護技術と効果の検証
Project/Area Number |
18592437
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 基子 Nagoya City University, 看護学部, 教授 (60290053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江本 厚子 東海大学, 健康科学部看護学科, 准教授 (70290054)
薬袋 淳子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部看護学科, 講師 (10445124)
相原 洋子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部看護学科, 助教 (90453414)
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Keywords | 在宅脳血管障害者 / 在宅療養開始時期 / 在宅療養開始から3ヶ月間 / 訪問看護プログラム |
Research Abstract |
19年度は18年度に検討し作成した在宅療養開始時期から3ヶ月間に実施する「中重度の脳血管障害者にたいする訪問看護プログラム」の効果を検証する調査を開始した。プログラムの検証は従来の訪問看護実施群(対照群)と「中重度の脳血管障害者にたいする訪問看護プログラム」を3ヶ月実施する介入群の2群間の療養経過を調査項目の比較によっておこなう。比較期間は1年間とした。調査項目は(1)利用者のバイタルサインズ、SOP2、栄養状態、摂食、体重、発声、RSST、オーラルデアドコキネシス、排泄、認知、起居動作、座位能力、握力、大腿周囲長、転倒、活動、利用者のセルフケア能力、介護者の介護力、(2)JSS-D、JSSE、FIM、EURO-QOL、CFSI(3)訪問看護内容とした。調査協力が得られる訪問看護ステーションはA県下約20カ所であったが、退院・退所1ヶ月以内に訪問看護を利用する脳血管障害者が得るのは困難であった。現在、来院・退所1ヶ月以内に訪問看護の利用が開始したケース6ケースを追跡している。対照群3ケース、介入群3ケースである。対照群は現在6〜7ヶ月目の調査が進行している。介入群は3ヶ月間の介入プログラムを実施中である。ここでは対照群について報告する。 対照群の背景と6ヶ月間の経過:ケース1は74歳(左被殻梗塞)、寝たきり度はJ2、JSSMは-10.04、長谷川スケールは22、FIMは106、SSDは-8.3、JSSEは-11.62であった。6ヶ月のFIMは109とやや改善し、EQの得点も退院時1ケ月の0.714から0.965と高まっていた。JSSD得点は変化がみられなかった。また介護者の負担感は軽減した。ケース2は69歳(右基底核部の梗塞)、寝たきり度はB1である。JSSMは11.23、長谷川スケールは7と低く、FIMは44であった。退院後1ヶ月と6ヶ月の比較ではJSSDは-4.53から-3.33、EQは0.459から0.72へ変化したが、FIM44と改善がみられなかった。介護者の負担感は改善した。ケース3は77歳(右被殻出血)、寝たきり度C2、長谷川スケール3、JSSMは9.98,FIMは27であった。6ヶ月後はFIM、JSSD、JSSE、EQ等は変化なく、体重が減少し、四肢の拘縮が進行した。介護者の負担感は軽減した。退院・退所から1ヶ月以内に訪問看護の利用を開始した脳血管障害者の療養経過は6ヶ月時点で以下の傾向が伺えた。(1)FIM、長谷川スケール得点が高く、JSSMが重度でない場合はFIMは改善傾向を示し、EQ得点は高まり、抑鬱傾向はみられない。(2)FIMが低く、JSSMも重度で、長谷川スケールが低い場合には機能
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