2006 Fiscal Year Annual Research Report
特別養護老人ホームにおける終末期ケアの看護師と介護福祉士の協働システムの構築
Project/Area Number |
18592443
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
石井 京子 大阪市立大学, 医学部, 教授 (30259494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近森 栄子 大阪市立大学, 医学部, 教授 (80280105)
牧 洋子 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (60300232)
野村 和子 大阪体育大学, 短期大学部, 教授 (10189433)
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 終末期ケア / 看護師 / 介護福祉士 / 協働システム |
Research Abstract |
近年、高齢者の増加とともに特別養護老人ホーム(以下、施設)は看取りの場となりつつある。本研究は施設で行われている看護師と介護福祉士の行っている終末期ケアの実態を明らかにし、終末期ケアに影響する要因を明らかにすること、さらに両職種の業務分担や協働システムを開発する研究に取り組んだ。 まず、今年度は施設で行われている介護福祉士が行っている終末期ケアについての実態を把握するために、施設で働いている10名の介護福祉士に聞き取り調査を行ない、さらに、国内外の文献検索を行った。その結果、76項目よりなる終末期ケア項目と死生観65項目よりなる調査票を作成した。学内倫理委員会を経て予備調査を実施し6項目を削除して70項目とした終末期ケアと60項目とした死生観の調査票を250名の介護福祉士に調査を実施し、234名(93.4%)から回答が得られた。対象は女性が72.6%と多く、年齢は20歳代が42.8%、30歳代が27.9%、40歳以上が34.3%であった。資格は介護福祉士が48.1%、ホームヘルパーが37.0%であった。勤務形態は常勤が61.8%、非常勤が21.2%であった。看取り経験は身近な人の看取り経験が33.6%にあり、職場での看取り介護経験は70%にあった。死についての教育経験は学校での経験が33.2%、職場での経験が12.4%、職場以外での経験が13.7%にあった。実際に施設で行っている終末期ケアについては因子分析の結果、「利用者の生活の質を向上させる援助α=.842」「家族への援助α=.859」「利用者の死の受け止めへの援助α=.823」の3因子が抽出され、累積寄与率は43.89%であった。もっとも実施頻度が高いのは「利用者の生活の質を向上させる援助」で、ついで「利用者の死の受けとめへの援助」であった。これらの援助に関与する要因は、身近な人の看取りの経験や死についての話題の有無、教育の有無、死生観の有無などであった。 さらに、実際に看護師が施設で行っている終末期ケアの現状を明らかにするために、看護師経験のある2名による観察および、聞き取り調査を行ない、現在、その内容を調査票として作成中である。
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