2006 Fiscal Year Annual Research Report
保健師の政策形成能力に関する研究-県庁保健師に必要とされる能力とその育成要件
Project/Area Number |
18592447
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
二宮 一技 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70347607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 ツルコ 関西福祉大学, 看護学部, 教授 (10020025)
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Keywords | 保健師 / 行政 / 政策形成能力 / 育成要件 / 県庁 |
Research Abstract |
行政保健師の政策形成能力とその育成要件を明らかにすることを目的として次の調査を実施した。 1.岡山県庁保健師及び県庁勤務経験を有する県保健所保健師へのインタビュー調査 岡山県庁の行政職保健師13名及び県庁勤務経験を有する県保健所保健師22名合計35名を対象に半構成面接を平成18年8〜10月に実施した。研究主旨、匿名性の保持、守秘等を明記した依頼文を郵送し承諾書を得た。面接は40分程度許可を得て録音し、本人自筆の略歴・メモを得た。内容は勤務部署別経験年数と県庁勤務で印象に残ったこと、意識したこと及び努力したことであった。面接逐語録は県庁経験のある研究者2名で分析し、分類には米国公衆衛生看護のための8つのコア能力(以下コア能力)を使用した。県庁勤務では保健所勤務時よりも法解釈・予算・議会対応等への努力を要し、事務職や関係部門との協働の中で政策形成能力を培っており、住民の生活を重視する視点を基軸に保健所等現場の活動を考慮しながら県政に合致するように企画・実施・評価を行っていた。体験内容は政策立案・計画策定能力、財務計画・管理能力に関する体験が多くを占めたが他のコア能力も全て集団に対するスペシャリストレベルであった。これらの結果は、平成19年2月に中間報告会を開催して関係者の意見を聴取し、当日欠席者には郵送で報告し意見を求め、概ね妥当との評価を得た。 2.大阪府庁保健師育成部門担当者へのヒアリング調査 平成19年3月に、大阪府庁保健師育成担当保健師2名に対するヒアリングを研究者、2名で実施した。大阪府では本庁勤務は現場リーダーの育成として事業課の係長級に配属していた。本庁保健師の体験は岡山県とほぼ同様であることが確認できた。 3.平成19年2月の中間報告会で、「米国公衆衛生看護のための8つのコア能力」及び「英国公衆衛生実践のための業務基準」に関する妥当性を確認するため、上記対象者に調査票(無記名)を配布し、郵送により回収した。その結果、必要でないとする項目はなく、個別/家族と集団/システム、保健所と県庁とでは若干の相違はあるものの、保健師の能力を測定する妥当な項目であると推察された。
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