2008 Fiscal Year Annual Research Report
認知症の種類別BPSD(入浴困難、徘徊、収集癖)の比較による看護援助開発
Project/Area Number |
18592448
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
高山 成子 Kobe City College of Nursing, 看護学部, 教授 (30163322)
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Keywords | 看護学 / 老化 / 認知症 / 行動障害 / ケア |
Research Abstract |
1病院と2施設で、入浴困難5名、収集癖1名、俳徊8名の調査を行った。また、平成18年5月から13年間の入浴困難21名、収集癖12名、俳徊18名を分析し、対象者家族との検討会と施設での検討会を行った。分析は、「重症度による違いが大きい(平成18年度結果から)」「性別による違いが大きい(平成19年度結果から)」を踏まえ、重症度及び性別、年代が合致する対象者の比較を行った。入浴困難は中等度1組と重度1組、収集癖は中等度1組の分析をし、俳徊は合致せず全体で比較した。 結果:入浴困難は、(1)ADに比べVDは語彙が多く会話疎通性が高いが、拒否のこだわりが強く説得困難。(2)拒否理由がVDには体験(入所後体験含む)が加わり説得困難、(3)ADは他者の行動やタイミングで誘導できるがVDは誘導が非常に困難、(4)ADは浴槽に入ると機嫌が良くなるがVDは強い誘導を記憶して不機嫌が持続する。収集癖は、共通点は(1)収集物品が固定、(2)収集物を「自分のもの」と認識、(3)保管は身近の3点で、相違点は(1)収集物品使用目的の表現がADは客観的妥当性がないがVDは妥当、(2)保管場所の記憶はADは誤りだがVDは誤っている場合と正しい場合があったの2点であった。俳徊の目的別のADとVD比較では、(1)VDでは「帰宅願望性」俳徊がない、(2)「親密性」目的の俳徊で、Aは家族など「いない人」に、VDはスタッフや調査者など「場にいる人」に親密性を求める、(3)「娯楽」目的の俳徊はADではなくVDで見られた。俳徊時の気持ちは、「無目的」の場合にADは否定的気持ちだったが、VDは「楽しい」気持ちを見せていた。 以上から、認知症重症度が同レベルでもVDは短期記憶・理解力保持し認知症レベルが高くみられ「気難しい人」と捉えられる、ADは短期記憶障害が強度で理解力が低くみられる傾向が認められた。
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