2009 Fiscal Year Annual Research Report
前期高齢女性の近隣他者との交流関係を活用した主体的健康増進プログラムの開発
Project/Area Number |
18592454
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
大森 純子 St. Luke's College of Nursing, 看護学部, 准教授 (50295391)
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Keywords | 前期高齢女性 / 社会関係 / 近隣他者 / 健康増進 / プログラム開発 |
Research Abstract |
平成20年2~3月に協働自治体との共同実践研究事業として企画・実施した試案プログラム「10年後の私たちの暮らし(未来予想図:未来の樹)を描こう!」(参加者:新興住宅地域に居住する50・60歳代女性24人)の評価(直前・直後、1・6・12ヶ月後に自記式質問紙調査、直後にグループインタビュー、6ヵ月後に個別インタビュー)を行った。今年度は、参加者が立ち上げた自主グループの活動状況も含め、質的データの分析を進めた。分析結果に基づき、新興住宅地域における前期女性の健康増進と地域づくりを同時にねらうプログラムとしての有用性、および企画・運営上の効果と課題を検討し、汎用性を高めるための工夫点を案出した。 参加者の日常生活における近隣他者との関係性に対する意識の変化、QOLの維持・向上、および地域における主体的な健康増進活動において一定の効果が得られ、試案プログラムの有用性を確認できた。質的データの分析からは、個人・個人間・集団・コミュニティの各レベルの効果の拡充を確認できた。自身の将来に漠然とした不安や危機感を抱いていた参加者は、知識を習得し、近隣他者との相互作用から現状を捉え直し、集団として仲間意識を持ちはじめ、交流を自発的に発展させていた。半年後には、その交流から周囲の人々と地域への関心と愛着が育まれ、近隣他者との関係を見直し、価値づけ、地域社会と自身の健康・自分たちの暮らしについて責任や使命感を覚え、10年後を見すえた前向きな意識が具体的な行動になって現れていた。 工夫点として、対象年齢の範囲を55歳から64歳の10歳以内の幅に設定する、各回の茶話会やグループワークを増やす、天候に応じて第3回と4回を入れ替える、地域特性によって開催時期やスタッフ、場所の確保を検討する、参加者同士の利害関係に配慮する、個別の理解度や身体的制約の有無などを査定してグループ編成する、などがあげられた。
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Research Products
(3 results)