Research Abstract |
目的:本研究は,アクションリサーチとして研究者参加・実践介入を実施し,多様化する認知症高齢者グループホームの終末期ケアの研修プログラムの開発を目的としている。平成19年度は,グループホームにおける終末期ケアの研修プログラムを立案し研修プログラムの有効性を「終末期ケアの認識」の観点から半構成的面接法・質問紙調査法により実証的に検証した。 1.文献研究:昨年より追加の文献レビューを行った。 2.概念研究:前年度の調査票の結果より,理論的概念枠組を作成中である。 3.研修プログラム立案:前年度の調査票の結果より,研修会プログラムの立案を行った。 4.介入研究:大阪府認知症高齢者グループホーム協議会の協賛で,調査結果の報告会を行い「認知症高齢者のための終末期ケア研修会」を実施した。 1)場所:大阪府農林会館講堂,大阪社会福祉センター多目的ホール 2)実施日:2007年8月29日,2008年2月1日-2日の3日間 3)研修会の評価:毎回,研修会実施後にアンケートを実施する。また,研修会終了より直後,3か月後,6か月後に研修会の内容の妥当性・効果について自記式質問紙調査を実施中である。 4)倫理的配慮:藍野大学倫理審査委員会に研究実施の承認を得た。また,参加者には研修時に研究の趣旨説明を行い,調査票の回収をもって同意したと判断した。 結果:研修会には合計237名の参加があった。研修会介入により,終末期ケアに対する職員の認識は困難や後悔をしていたが,医療との連携やマニュアル化などの課題がより具体的になっていた。 また,ターミナルケア態度尺度では,受講前後とも職員は,終末期ケアに対して消極的態度がみられた。しかし[死にゆく患者へのケアに価値を見出せない態度]は,受講後に下位に,[サポートする家族ケアへの認識]は受講後に上位となっており,研修会介入は職員の終末期ケアに対する認識に変化をもたらし,効果があったことが判明した。 昨年度の研究成果の報告:認知症高齢者の施設管理者が考える終末期ケアの現状と課題,近畿圏内における認知症高齢者グループホームの終末期ケアの実態等,7演題の学会発表を終えた。
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