2006 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌細胞と共に転移する原発巣由来ストローマ細胞は肺転移巣形成を促進する
Project/Area Number |
18599007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河野 光智 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10276272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 紘一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80051704)
堀之内 宏久 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60173647)
渡辺 真純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90201227)
泉 陽太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90245506)
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Keywords | 呼吸器外科学 / がん / 転移 |
Research Abstract |
18年度はがん転移マウスモデルの作成を行った。 (1)がん細胞のGFPマウスへの移植 マウス肺癌細胞株Lewis lung carcinoma(LLC)或いはマウス悪性黒色腫細胞株B16F10を細胞を培養し、全身の組織、細胞が緑色蛍光を発するGFPマウス(C57BL/6-Tg(CAG-EGFP)C15-001-FJ001Osb)にがん細胞を皮下或いは腎臓皮膜下注射して腫瘍を形成させた。腫瘍は宿主マウス由来のストローマ細胞を内部に導きながら成長した。蛍光顕微鏡で腫瘍を観察するとストローマ細胞は緑色に見えるのでがん細胞との識別が可能となった。 2)がん細胞と共に血流に放出されるストローマ細胞の採取 LLC細胞をGFPマウスの腎臓皮膜下に注射し、GFP陽性ストローマ細胞を含む腫瘍を約3週間発育させた。マウス血液或いは人工血液を持続静注しながら、腎静脈から1時間持続採血して腫瘍から流出する細胞を採取した。蛍光顕微鏡にてがん細胞とストローマ細胞(緑)からなる細胞集塊(モザイク)を観察できた。 3)実験的転移モデルの作成 GFPマウスの皮下に発育させた腫瘍をミンスし、がん細胞とストローマ細胞からなるモザイク状微小細胞集塊を作成し、これを野生型マウスに1匹当たり2000〜3000個、尾静脈から静注した。5〜10日後にマウスを犠牲死させ、蛍光顕微鏡にて微小肺転移を観察した。野生型マウスの中で、がん細胞およびストローマ細胞(緑)とを含む肺転移巣はモザイク状に観察された。 4)腫瘍組織の移植による自発転移モデルの作成 がん細胞をGFPマウスの腎臓皮膜下に注射して得られた腫瘍組織を、野生型マウスの腎臓皮膜下に移植した。5〜10日後にマウスを微小肺転移巣及び腹腔内リンパ節転移巣、腹膜播種巣を観察した。がん細胞及びストローマ細胞(緑)とを含むモザイク状の微小転移巣が観察された。 19年度以降は上記の完成されたモデルを使用して肺転移巣形成初期におけるストローマ細胞の貢献に関しての検討を進める。
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Research Products
(3 results)