2006 Fiscal Year Annual Research Report
中間支援組織を媒介とするイシュー・ネットワークの研究
Project/Area Number |
18600010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
吉田 忠彦 近畿大学, 経営学部, 教授 (20210700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 廣光 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80093029)
田尾 雅夫 京都大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40094403)
若林 直樹 京都大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80242155)
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Keywords | 中間支援組織 / イシュー・ネットワーク / NPO / NPO支援センター |
Research Abstract |
都市住民の自発的なネットワーキングやNPO、さらにはそれらのネットワークをコーディネートしたり、サポートする中間支援組織の存在は今後さらに重要なものになると予測される。本研究では、そうした動的なネットワークを分析する焦点として中間支援組織を取り上げ、都市における諸イシューがどのように人々に知覚され、それをめぐってネットワークが形成され、さらに問題解決の具体的方法を導くためにネットワーク内およびネットワーク間調整がなされ、資源が動員されるのかを分析する。今年度は先行事例として、イギリスの都市再開発において中間支援組織がいかなる活動を行っているか、そしてそれはどのようにしてリソースを獲得しているかなどをフィールド調査した。また、日本におけるNPO中間支援組織(NPO支援センター)の形成過程を文献およびフィールド調査した。日本では行政主導型の社会システムとなっていたため、多様な関係者の政策形成参加は遅れていたが、行政改革の流れもあり、自治会などの地縁組織とNPOによるイシュー・ネットワークの形成が追求されつつある。しかし、イギリスの調査で明らかになったことは、ソーシャル・イクシュクルージョンなどの問題が深刻な地域を重点対象として、戦略的に資金を投入し、またさまざまな資金を統合し、コミュニティやNPOを巻き込んでいるという状況である。したがって、イシュー・ネットワークの自然発生を期待するだけではなく、地域単位で資金が、しかも横断的・包括的に利用できる形で流れるシステムが課題であるといえる。
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