2007 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部睡眠覚醒調節ニューロンの同定と活動記録及び制御機構の解明
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18603006
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| Research Institution | Fukushima Medical University |
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Principal Investigator |
高橋 和巳 Fukushima Medical University, 医学部, 講師 (90325952)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香山 雪彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30035224)
小山 純正 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80183812)
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| Keywords | オレキシン / 睡眠・覚醒調節 / 単一ニューロン活動 / マウス / 無麻酔 / ニューロバイオチン |
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| Research Abstract |
前年度に達成したヒスタミン(HA)ニューロンに引き続き、オレキシン(Orx)ニューロンについて、活動の記録と同定を行った。マウスの後部視床下部外背側部において睡眠・覚醒時の単一ニューロン活動を記録し、ニューロバイオチンでの標識と免疫染色によりOrxニューロンを同定した。Orxニューロンは、1)覚醒時に10Hz以下でtonicな活動を示し、SWS時にはほぼ停止するが、PS時にはphasicに発火する、2)SWSから覚醒への移行期において、脳波の脱同期化に先行して活動を開始する、3)音による覚醒刺激への反応潜時は短い、4)PSからの覚醒では、筋緊張の回復に先行して活動を開始する、5)動的覚醒時には静的覚醒時より高い平均発火頻度を示すが、体動との相関は見られない、などの特徴を有していた。これらの結果は、Orxニューロンが覚醒の開始と維持の両方に重要な役割を果たし、皮質活動の低下や筋緊張の消失に対して抑制性に働いていることを示唆している。HAニューロンも覚醒特異的に活動するニューロンであったが、覚醒の開始には関与しないことを示唆した(前年度)。従って、本研究により、後部視床下部の覚醒機構にはOrxニューロンによる覚醒の開始とHAニューロンによる覚醒の維持という役割分担があることがわかった。また、覚醒系ニューロンのみならず多くの睡眠系ニューロンも記録されており、それらの解析と解釈は現在進行中である。これらの活動パターンを較べ、相互作用を明らかにすることで、これまでの行動実験の結果を神経回路の面から説明し、それによって睡眠・覚醒調節システム全体のメカニズムを明らかにするための重要なステップを切り開くことができた。
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Research Products
(1 results)
