2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18603011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
黄 志力 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究副部長 (10321704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
裏出 良博 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究部長 (10201360)
早石 修 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究員 (40025507)
曲 衛敏 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究員 (20332231)
和田 雅史 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子行動生物学部門, 研究員 (80421379)
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Keywords | アデノシン / A_1受容体 / A_<2A>受容体 / カフェイン / 側座核 / 遺伝子欠損マウス / 睡眠 / 覚醒 |
Research Abstract |
脳内には4つのアデノシン受容体サブタイプが存在し、A_1受容体(A_1R)とA_<2A>受容体(A_<2A>R)が睡眠誘発に関与すると考えられてきた。我々は、野生型(WT)マウスとA_1RとA_<2A>Rの遺伝子欠損(KO)マウスとの睡眠構造の変化を調べた。WTマウスと比べて、A_1R-KOマウスの睡眠は変化が見られず、WTマウス同様、断眠後にノンレム睡眠(NREM)とレム睡眠(REM)の量が増加した。しかし、A_<2A>R-KOマウスは夜間活動時のNREMとREMの量がわずかに多く、断眠後のNREMの増加は見られなかった。さらに、A_1R作動薬をWTマウスの脳内に投与しても睡眠量は変化しなかったが、A_<2A>R作動薬は強力なNREM睡眠を誘発した。一方、A_1RおよびA_<2A>Rに対して同等の結合親和性を持つ拮抗剤であるカフェインを、睡眠期のWT、A_1R-KO、A_<2A>R-KOマウスの腹腔内に投与すると、A_1R-KOマウスはWTと同様に覚醒を起こしたが、A_<2R>-KOマウスは覚醒を起こさなかった。また、カフェインはA_1R-KO及び町マウスの線条体のphospho-Thr75-DARPP-3を増加させたが、A_<2A>R-KOマウスでは変化を起こさなかった。以上の結果は、カフェインの覚醒作用がA_<2A>Rの阻害によることや、アデノシンによる睡眠誘発はA_<2A>Rとphospho-Thr75-DARPP-3により調節されることを示す。次に、A_<2A>Rが大量に分布する側座核にキノリン酸を投与して神経変性を行い、側座核損傷による睡眠覚醒の変化とドーパミン量との関連性を調べた。その結果、側座核の損傷による睡眠の変化は、A_<2A>KOマウスに類似していることが判明した。この結果は、側座核がアデノシンやA_<2A>Rアゴニストによる睡眠誘発に関与する部位であり、睡眠調節に重要な役割を果たすことを示している。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Lipocalin-type PGD synthase is a major amyloid β-chaperone in human cerebrospinal fluid.2007
Author(s)
Kanekiyo T, Ban T, Aritake K., Huang Z-L, Qu W-M, Okazaki I, Mohri I, Murayama S, Ozono K, Taniike M, Goto Y, Urade Y.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci USA 104(15)
Pages: 6412-6417
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[Journal Article] Fasting-induced reduction in locomotor activity and reduced response of orexin neurons in carnitine-deficient mice2006
Author(s)
Yoshida G, Li MX, Horiuchi M, Nakagawa S, Sakata M, Kuchiiwa S, Kuchiiwa T, Jalil MA, Begum L, Lu YB, Iijima M, Hanada T, Nakazato M, Huang ZL, et al.
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Journal Title
Neurosci Res 55(1)
Pages: 78-86