2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本一般人口におけるむずむず脚症状と自覚的睡眠問題との関連
Project/Area Number |
18603012
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
内山 真 Nihon University, 医学部, 教授 (20221111)
|
Keywords | むずむず脚症候群 / 異常感覚 / 不随意運動 / 睡眠 / 疫学 / 不眠 / 過眠 / 睡眠不足 |
Research Abstract |
本研究では、日本の一般成人におけるむずむず脚症候群の有病率を明らかにし、男女差、及び年齢別の有病率を検討する。さらに、むずむず脚症候群と自覚的睡眠問題との関連についてロジスティック解析を用いて明らかにする。さらに、むずむず脚症状がその他の身体的訴え、精神的訴えに与える影響、どの程度個人のストレスになっているかを明らかにすることで、むずむず脚症候群に悩む人々について理解をすることを目的とした。昨年度は、厚生労働省が平成12年に行った保健福祉動向調査における20歳以上の成人26705人を対象として、夜間睡眠の問題との関連について明らかにした。今年度は、同じデーターベースを用いて不定愁訴との関連を検討した。11項目の精神・身体的不定愁訴とむずむず脚症候群の関連について、性、年齢、抑うつ症状、睡眠問題(入眠困難、早朝覚醒、中途覚醒、熟眠感欠如、日中過眠、睡眠不足感)を調整因子とした多変量ロジスティック回帰分析を行った。その結果、動悸(オッズ比1.66)、易疲労感(1.39)、背部痛(1.39)、便秘・下痢(1.27)、健康が気になる(1.23)、上腹部不快感(1.23)、肩こり(1.20)がそれぞれ独立してむずむず脚症候群と有意な関連があった。このことは、むずむず脚症候群の症状は睡眠障害と独立して、直接的に身体的愁訴と関連することを示す。近年、むずむず脚症候群と高血圧の関連についての指摘がなされるようになったが、本研究で動悸が最も強い関連を示したことはむずむず脚症候群の循環器系への影響を示唆する所見として注目すべきである。
|