2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナルコレプシーおよび各種過眠症の30-50年長期予後調査
Project/Area Number |
18603013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Neuropsychiatric Research Institute |
Principal Investigator |
本多 裕 財団法人神経研究所, 所長 (90010305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 真 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員・プロジェクトリーダー (50370979)
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Keywords | 神経科学 / 脳神経疾患 / 臨床 / ナルコレプシー / 長期予後調査 |
Research Abstract |
平成18年度はナルコレプシー、反復性過眠症、特発性過眠症患者用に3種類の長期予後調査アンケート用紙を作成した。そして過去50年問にわたる晴和病院、東大病院で診療した過眠症患者のリストをもとに、個人情報の保護を十分におこなったうえでアンケート用紙を郵送した。 反復性過眠症患者は過去に診療した82名にアンケート用紙を発送し、22名の回答が得られた。また、特発性過眠症患者は42名にアンケートを行い、14名から回答が得られた。 ナルコレプシーのアンケート調査は約660名に郵送し、回答を待っている段階である。 真性過眠症のアンケート調査は現在郵送配布の準備の段階で、4月中に郵送配布が終了する見込みである。 統計解析のためSPSSの最新版CDROMを購入し、データ入力は専門業者に依頼し、それを用いて平成19年度に過眠症の長期予後調査の解析を行う予定である。 中心をなすナルコレプシーの長期予後の結果はこれからであるが、22名の反復性過眠症の回答をみると改善したものが18名(`総アンケート数の約80%)とかなりの反復性過眠症患者では病相の発現がなくなっていた。14名の特発性過眠症患者の回答をみると改善したものが12名(総アンケート数の約85%)で、特発性過眠症患者においてもかなりの患者数で病相の発現がなくなっていた。従来、特発性過眠症は難治とされているが、今回の調査によると改善の可能性が見られた。 過眠症の長期予後調査は、我々が行ったナルコレプシーについての40年予後調査以外は行われていない。今回の調査により各種過眠症について一定の予後改善が期待できることが見出され、治療上有用な情報を得ることが出来た。
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