2006 Fiscal Year Annual Research Report
ダニ抗原誘発マウスアトピー型喘息モデルの病態におけるCD44の役割に関する研究
Project/Area Number |
18604005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
加藤 茂樹 香川大学, 医学部, 客員助教授 (10295206)
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Keywords | 喘息 / 免疫学 / 接着分子 / CD44 / VLA-4 |
Research Abstract |
研究の目的:本研究では、ダニ抗原を用いてマウスアトピー型喘息モデルを作製し、その病態における接着分子CD44の関与を調べ、治療への応用について検討する。 研究の方法:1.BALB/cマウスにダニ抗原をアラムに混合し1週間隔で2回腹腔内投与し抗原感作を行う。28日後に抗原チャレンジを経気道的に行い喘息反応を惹起し、急性喘息モデルを作製する。抗原チャレンジの24時間後に気道抵抗の測定、採血、気管支肺胞洗浄(BAL)を行い、その病態を気道過敏性および気道炎症を中心に検討する。気道過敏性の評価としてメサコリン吸入後の気道抵抗を測定する。気道炎症の評価としてBAL液中の細胞数及び細胞分画を検討する。また、BAL上清中のサイトカイン、ケモカインおよび血清中の総IgE、ダニ抗原特異的IgEを測定する 2.上記の喘息モデルにおいて抗CD44抗体あるいは抗VLA-4抗体を抗原チャレンジの12時間前に腹腔内投与し、気道炎症および気道過敏性への影響について1と同様な方法を用いて比較検討する。 研究結果:1.本モデルにおいて気道過敏性の亢進を認めた。さらに、BAL中のリンパ球数、好酸球数の増加およびBAL上清中のIL-5, IL-13, エオタキシン,TARC濃度の上昇を認めた。さらに血清中総IgEおよびダニ抗原特異的IgEの上昇を認めた。 2.抗CD44抗体投与により気道過敏性の亢進が抑制された。さらにBAL中のリンパ球数、好酸球数の減少およびBAL上清中のIL-5, IL-13, エオタキシン, TARC濃度の低下を認めた。しかし、血清中総IgEおよびダニ抗原特異的IgEに関しては変化を認めなかった。抗VLA-4の腹腔内投与では本喘息モデルの気道過敏性および気道炎症は改善されなかった。
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