2007 Fiscal Year Annual Research Report
ダニ抗原誘発マウスアトピー型喘息モデルの病態におけるCD44の役割に関する研究
Project/Area Number |
18604005
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
加藤 茂樹 Kagawa University, 医学部, 客員准教授 (10295206)
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Keywords | アレルギー・喘息 / 免疫学 / 接着分子 / CD44 |
Research Abstract |
研究方法 1.C57BL6マウスを用いたダニ抗原誘発アトピー型気管支喘息モデル(急性型)の作製及びその病態解析 C57BL6マウスにダニ抗原をアラムと伴に計2回腹腔内投与し感作を成立させる。29日後に抗原チャレンジを経気道的に行い喘息反応を惹起する。抗原最終チャレンジの24時間後に気道過敏性検査及び気管支肺胞洗浄(BAL)を行う。気道過敏性に関しては、メサコリン吸入後の気道抵抗を測定しその増加率を比較検討する。気道炎症関しては、BAL中細胞数及び細胞分画を検討する。 2.CD44欠損マウス(C57BL6)を用いた検討 1と同様にしてCD44欠損マウスの喘息モデルを作製し、その病態を野生型(WT/C57BL6)マウスと比較する。さらに1と同様に抗原感作を行ったマウスの脾臓細胞を採取し、CD4陽性T細胞を分離し、正常コントロールマウス(WT/C57BL6)に移入する。24時間後に抗原チャレンジを行い、抗原チャレンジの24時間後に気道過敏性を検討する。さらにBALを行い細胞数及び細胞分画を検討し、気道炎症を評価する。 研究結果 1.本モデルにおいて気道過敏性の亢進を認めた。さらに、BAL中のリンパ球数、好酸球数の増加を認めた。 2.CD44欠損マウスでは気道過敏性の亢進は認められず、気道炎症に関してもWT/C57BL6マウスに比べてBAL中のリンパ球数の減少を認めた。抗原感作したWT/C57BL6マウスの脾臓CD4T細胞を無処置のWT/C57BL6マウスに移入した場合は抗原チャレンジによる気道過敏性の亢進及び気道炎症を認めたが、抗原感作したCD44欠損マウスの脾臓CD4T細胞を無処置のWT/C57BL6マウスに移入した場合は気道過敏性の亢進を認めず、気道炎症も抑制されていた。 考察:以上の結果喘息の病態形成にCD44が重要な役割を果していることが示され、新しい治療薬の開発への応用が期待できる。
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