2008 Fiscal Year Annual Research Report
カロテノイド摂取による食物アレルギー感作成立の抑制に関する研究
Project/Area Number |
18604011
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
穐山 浩 National Institute of Health Sciences, 代謝生化学部, 室長 (10260259)
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Keywords | 食物アレルギー / β-カロテン / B10Aマウス / ヒスタミン / サイトカイン / Th1 / Th2バランス / オボアルブミン |
Research Abstract |
本研究では、オボアルブミン(OVA)経口連続投与で感作が誘導可能なB10Aマウスを用いてカロテン強化食摂取の食物アレルギー発症抑制のメカニズムについて検討した。B10AマウスにOVA 1mg/匹を9週間連日経口投与し、9週後に、血清中OVA特異的抗体価、ヒスタミン濃度、ASA後の体温の測定を行った。また、パイエル板、MLNからCD4^+T細胞を脾臓より単離し、フローサイトメトリー(FCM)により解析した。α-カロテン、β-カロテンは標準粉末飼料に混合(2mg/100g)して経口投与を開始する2週間前から自由摂取させた。PP及びMLN中リンパ球のポピュレーション解析の結果、Foxp3陽性α4β7インテグリン陽性細胞の割合が対照群と有意な差がなかった。α-カロテン、β-カロテン強化食群のパイエル板におけるCD4陽性CD103陽性細胞は、対照群に比べ、有意に低かった。昨年度の結果により、脾臓細胞由来CD4^+T細胞のTh1及びTh2のmaster regulatorの測定から、カロテノイド強化食によって抗原感作の抑制が示唆された。近年、腸管免疫系の制御性T細胞の分化誘導において、レチノイン酸が重要な役割を担うことが報告されているが、今年度の結果ではカロテノイド強化食が腸管免疫系における制御性T細胞の分化誘導に及ぼす影響は観察されなかった。これらの結果から、α-カロテン及びβ-カロテン摂取のOVA経口感作抑制作用は、レチノール及びレチノイン酸への代謝促進増大によるものでなく、他の経路によるものと推察された。
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Research Products
(2 results)