2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジア型のリサイクルループの構築可能性に関する考察
Project/Area Number |
18605001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
劉 庭秀 東北大学, 大学院国際文化研究科, 助教授 (70323087)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 八十五 関東経済大学, 経済学部, 教授 (40047494)
山下 博司 東北大学, 大学院国際文化研究科, 教授 (20230427)
|
Keywords | アジア / リサイクル / 国際協力 / 廃棄物行政 / 中国 / フィリピン |
Research Abstract |
本年度は、中国、フィリピンを対象に各国の廃棄物リサイクル政策の基本方針、処理方法について基礎的な調査を行った。また、日本の現状を分析し、その比較を試みた。特に本年度は中国上海市、フィリピンマニラ市の現地調査を行い、両都市のゴミ清掃工場、埋立地、廃棄物行政、環境NGO、研究機関のフィールド調査とともに関係者のヒアリング調査を行った。 近年、廃棄物資源に対する需要が急増し、各国の国内における廃棄物資源市場が拡大しているものの、日本や韓国などからの廃棄物資源輸入が増加しているよりは、国内廃棄物の処理やその有効利用に注目していることが分かった。結局、将来的にアジアのリサイクルループを構築するのは、廃棄物資源の国際循環というよりは、国際的な協力や支援によるリサイクルループの構築が望ましいことが分かった。 また、各国の廃棄物政策が異なることは言うまでもなく、それぞれの特徴があることを注意しなければならない。例えば、中国は中央政府の強い力を活かして、様々な廃棄物リサイクル政策が講じられており、廃棄物資源の価格上昇により、大きな問題はないように見える。しかし、需要の少ない廃プラスチックの処理問題、大都市から排出される廃棄物(生活系、家電、自動車など)が大都市周辺地域や中西部地域に流れるなど解決すべき問題が山積している。 フィリピンでは、基本的に廃棄物行政の予算が少なく、外国の支援を求めている部分も多い。しかし、廃プラスチック(テトラパック)を再利用して製品(バック、リュック、アクセサリなど)を製造し、地域コミュニティを支援する方法、埋立地のWaste Pickerを組織的に管理し、Junk Shopを活性化させる方法など、地域に根ざして廃棄物行政のあり方もあるようにみえる。一方、CDMの一環として埋立地のメタンガスを回収し、電力を生産するなど、新たな国際協力のあり方を定量的に分析することができた。次年度はこれらの特徴をより詳細に分析しつつ、地方都市との関係を明確にしていく必要があろう。
|
Research Products
(6 results)