2007 Fiscal Year Annual Research Report
アジア型のリサイクルループの構築可能性に関する考察
Project/Area Number |
18605001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
劉 庭秀 Tohoku University, 大学院・国際文化研究科, 准教授 (70323087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 八十五 関東学院大学, 経済学部, 教授 (40047494)
山下 博司 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (20230427)
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Keywords | アジア / リサイクル / 国際協力・支援 / 廃棄物行政 / 中国 / フィリピン |
Research Abstract |
本年度は、廃プラスチックを中心に日韓の環境政策の運用実態を考察しながら、主にフィリピンを対象に、コミュニティベースの廃棄物リサイクルのあり方を調査・分析した。目韓は、拡大生産者責任制度にもとづいて、様々な廃棄物リサイクル政策を導入しているが、中国を中心に再生資源の需要が高まっており、廃棄物の越境が大きな問題となっている。これらの問題については国立環境研究所の研究グループで詳細な研究を行っており、今年は、これらの成果を参考にしつつ、低所得国であり、リサイクル技術水準の低いフィリピンの廃棄物行政、コミュニティ中心のリサイクル及び地域の福祉厚生支援プロジェクトを分析した。特に、マニラ市とラプラプ市のヒアリング調査、廃プラスチックのリサイクルを取り組んでいるコミュニティへのインタビューを実施した。 近年、廃棄物資源に対する需要が急増し、各国における廃棄物資源市場が拡大しているものの、日本や韓国などからの廃棄物資源輸入が増加しているよりは、アジア各国は国内におけるリサイクル、資源の有効利用が注目されている。結局、廃棄物資源の国際循環という視点も重要であるが、国際的な協力や支援による各国に適するリサイクルループ構築、廃棄物政策の導入が望ましい。 また、日韓のリサイクル政策・廃棄物の発生と処理動向は、アジア諸国に様々な影響を与えている。 例えば、日本は、最新のリサイクル技術及び制度を導入しているが、これらの妥当性を明確に分析する必要がある。一方、フィリピンの一部の地域では、少ない予算と低技術レベルでも、地域住民の雇用や福利厚生に役立つ廃プラスチックのリサイクルネットワークが構築されている。さらに、エネルギー回収、再生資源の再利用・リサイクルを組み合わせることによって、総合的な廃棄物管理及びリサイクル政策の構築可能性を見出すこともできる。最終年度には、これらの調査分析の結果をまとめて、アジア型のリサイクルループの構築可能性に関する政策提言をまとめる。
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Research Products
(6 results)