2008 Fiscal Year Annual Research Report
アジア型のリサイクルループの構築可能性に関する考察
Project/Area Number |
18605001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
劉 庭秀 Tohoku University, 大学院・国際文化研究科, 准教授 (70323087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 博司 東北大学, 太学院・国際文化研究科, 教授 (20230427)
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Keywords | アジア / リサイクル / 資源循環 / 廃棄物管理 / 中国 / フィリピン / プラスチック / コミュニケーション |
Research Abstract |
本年度は、フィリピンの廃プラスチックの再利用及びリサイクル事例を対象に、総合的な廃棄物管理政策のあり方について考察し、日・中のリサイクル実態との比較分析を試み光。フィリピンKILUSにおける女性中心めNGO活動が、政府主導め廃棄物管理政策を上回る成果が出ていることは興味深い。一方、日本のプラスチック製容器包装リサイクルめ現状をみると、分別、収集、運搬、リサイクルプロセスにおいて非効率的な要素が多い。高度のリサイクル技術を,有するにもかかわらず、わかりにくい制度設計(分別・取集・リサイクル技術の指定)、複雑なリサイクルシステムが効率のよい資源循環を妨げている。また、プラスチックごみの組成を分析してみると、リサイクルに適しないごみの割合が高く、単一物質が効率よくリサイクルできるような制度設計の見直しが必要である。つまり、政策決定のプロセスに政府、企業、住民とのコミュニケーションがうまくとれていないと考える。 昨年は原油や資源価格の高騰により、一時期廃プラスチックに関しても海外輸出による収益性が確保された。しかし、世界的な経済危機で、このような流れも長続きできなくなっている。当初、本研究では、アジアにおけるリサイクルループの構築可能性について考察を続けていたが、持続的な国際資源循環のループ構築よりは、各国における資源確保の動きが目立ち始めている。特に中国の場合、国内の環境汚染対策を強めており、廃棄物資源の野焼き、不適切な処理、不法投棄などは大幅に減少してきた。しかし、資源確保の動きが非常に強まっており、廃棄物資源の輸入には積極的な姿勢を見せているものの、加工された資源輸出には消極的である。結局、国際的な技術協力や政策支援によって、国内におけるリサイクルループ、廃棄物管理政策、リサイグル技術を確立した上、各国が対等な立場で廃棄物資源の国際的なりサイクルループを構築していくべきである。
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Research Products
(8 results)