2007 Fiscal Year Annual Research Report
中国中部内陸農村の開発と社会関係資本一湖北・江西村落コミュニティの比較を通じて
Project/Area Number |
18606002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田原 史起 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (20308563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿古 智子 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 准教授 (80388842)
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Keywords | 中国 / 中部内陸農村 / 開発 / 社会関係資本 / 村落コミュニティ |
Research Abstract |
平成19年度については本研究の中心をなすフィールド調査を本格的に展開する年として、以下の(1)、(2)、(3)の活動を(2)を中心に進め、フィールド・データに基づいて、研究仮説を組み直し、精緻化していく作業を進めた。 (1)文献資料の収集とデータベース化 農村開発や社会関係資本に関する理論的文献や、それらの理論を他地域に応用した業績などを収集・整理するとともに、調査地に関わる地図、統計年鑑、県志などの他、現地の档案(文書)館などでは調査対象村落の建国後の歴史資料を、現地村落では手書きの土地・財務関連資料などを入手した。 (2)現地でのフィールド・データの蓄積 初年度に予備調査を行い、固定観察ポイントに選定した湖北省沙洋県、江西省余干県の二村落において、湖北については8月に1度、江西については6-7月と3月の2度にわたり開発と社会関係資本に関連するフィールド・データの収集を行った。とりわけ、a)湖北、江西両地の観察対象集落の数十世帯について、各世帯員の地元コミュニティとの関係を一つ一つ調査することで、両地に共通している「出稼ぎ経済」という特徴が「社会関係資本」に与えるネガティブな、あるいはポジティブな影響が見いだされた。さらに、b)その村落コミュニティが保有する水利施設、山林、道路などの建設、利用、維持・管理をめぐる過去の「出来事」をできる限り多く、かつ詳細に聞き取ることで、そこに現れた人々の結び付き方、そしてその背景にある社会関係資本を操作的に分析するための素材を獲得することに努めた。 (3)研究仮説の練り直し 上記の作業過程で各人が得た知見については、年に3回の研究会を開催して意見交換を行い、討論を通じて仮説を練り直し、より説得力のある仮説に近づける努力をした。
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Research Products
(4 results)