2006 Fiscal Year Annual Research Report
直系制家族の世代継承と相互扶助関係:長期反復調査による実証研究
Project/Area Number |
18610002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
堤 マサエ 山梨県立大学, 国際政策学部・総合政策学科, 教授 (50105970)
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Keywords | 社会学 / 世代間関係 / 世代継承 / 直系制家族 / 長期反復調査 |
Research Abstract |
主に次の4点について研究を進めた。1)課題に対応した過去6回のデータ整理、分析、事例調査項目の検討をおこなった。2)調査対象地、行政統計のテーマに関する調査・資料収集をおこなった。(3)調査対象者の一部に聞き取り面接調査を行った。(4)地域社会との情報交換などを行った。 その研究作業の概略は次のようである。過去6回の膨大な面接調査結果のデータをコンピューターに入力する作業はかなりできてきたが、課題やテーマに関して十分照合するようなデータ整理がされていないため、今年度はそれを整理する作業を主に行った。膨大な個人資料を入力するため、コンピューターの稼動能率を上げる努力もした。 世帯情報のデータは対象世代を中心に整理したが、さらにすでに死亡した親世代の情報も整理した。その上の祖父母世代のデータはまだ十分整理されていないため、次年度に世代間比較が可能なように項目整理を行い、事例研究が可能な対象を抽出するようにする。 1回(1966)、2回(1972)、3回目(1979)の調査データはコンピューター入力を想定したものではなかったため入力するには時間がかかっている。そのため、この研究を熟知している研究者に協力を依頼し、整理分析できるところから作業をしている。 今日、個人情報保護の問題があり、家族調査は困難になってきている。すでに入力作業が完了していても、使用するためには検討も必要である。 世代継承に関する事例の検討、整理は可能になった。4割の対象が直系制家族を継承していることが明らかになった。農業が家業から職業になり、家業継承の意識は大きく変化をしてきている。農業そのものも集団農業化の傾向があらわれ、変化を余儀なくされている。 世代間相互扶助に関して、対象世帯とそれ以外の対象に介護と子育てのあり方を中心に調査を企画、資料を収集し始めた。農業者女性の出産子育ての実態調査に参加、本テーマを深められるようにしている。 特に、今年度は過去に行った本調査の共同研究者と本研究の今までの結果を基に、日本と中国の家族変動の比較研究のため、共同で対象地域の視察、調査を行った。これは本調査結果が国際比較研究の日本農村家族の基礎資料にするためである。
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Research Products
(3 results)