2009 Fiscal Year Annual Research Report
大学生に対する教育成果に教育評価のあり方が与える影響
Project/Area Number |
18611006
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
矢部 正之 Shinshu University, 全学教育機構, 教授 (00200577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西垣 順子 大阪市立大学, 大学教育研究センター, 准教授 (80345769)
加藤 鉱三 信州大学, 全学教育機構, 教授 (20169501)
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Keywords | 大学教育改革 / ICT活用教育 / 教育系心理学 / 学習学 / 教育学 / 学びとコンピュータ / 教育工学 |
Research Abstract |
【教育評価が教育成果に与える影響に関するプロセスの検証について】これまで実施した調査を総合的に分析し,本補助金報告書にまとめた。概略は,以下の通り。1)成績評価の厳しい授業とやさしい授業における受講生の学習方略の利用状況には違いがあり,厳しい授業においては受講生が,理解方略,拡張方略といった積極的学習方略とともに暗記方略も多く利用していた。逆にやさしい授業では学習方略を利用しない傾向があった。その一方で,学習成果の認知には両者に違いが見られなかった。2)形成的評価の実施状況は,学生の授業時間外学習時間には影響する。3)学習成果に対して,成績評価の難易度と学年による交互作用が見られ,成績評価が厳しい授業の学習成果を1年生は低く評定していた。4)形成的評価がもたらす効果は,教員との評価を介したやり取りを通じた学習意欲の高まりといった情動的な側面への効果である可能性がある。 【国内の大学における成績評価制度改革後の実態調査について】これまで実施した国内の大学における成績評価制度改革後の実態調査を総合的に分析し,本補助金報告書および論文(西垣・矢部)にまとめた。概略は,以下の通り。1)学生の自習を支援する体制については,整備が進みつつある。2)特にe-LearningなどICTの活用が幅広く取組まれている。3)GPA制度や履修登録単位数の上限設定などの単位制度に関わる諸施策は,個別に導入するのではなく,学習目標を明確設定した上で,学生の学習を支援するために体系的に整備していくことが求められている。 【ICTの活用について】「教育の質保証」など教育改善に向けたICT活用の方策とその効果について,本補助金報告書にまとめるとともに,その内容は,学会・研究会等(ケータイ活用教育研究会,私立大学キャンパスシステム研究会など)で公表された。
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