2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18612001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
額賀 淑郎 東京大学, 大学院医学系研究科, 特任教員 (80396697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤林 朗 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70221710)
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Keywords | 生命倫理政策 / 比較史 / 生命倫理委員会 / 合意形成 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は、生命倫理諮問委員会の比較史研究から、日米の公共生命倫理(Public Bioethics)や規制倫理(Regulatory Ethics)の重要性が判明し、その分析枠組みとして生命倫理諮問委員会における合意形成の類型化を試みたことである。具体的には以下のような研究を遂行した。 1 日米における歴史的調査 歴史的文献調査および聞き取り調査から、日本の代表的な生命倫理諮問委員会(審議会)として、「科学と社会特別委員会」(1977-80年)、「生命と倫理に関する懇談会」(1983-85年)、「臨時脳死及び臓器移植調査会」'(1990-92年)、「遺伝子治療に関する専門委員会」(1991-94年)、「科学技術会議生命倫理委員会」(1997-2001年)を選び、それらの活動について歴史的な分析をした。また、米国の代表的な生命倫理諮問委員会として、国家レベルでは、「国家委員会」(1974-78年)、「倫理諮問委員会」(1974-78年)、「大統領委員会」(1978-83年)、「生命医療倫理諮問委員会」(1985-89年)、「国家生命倫理諮問委員会」(1995-01年)を選び、連邦機関レベルでは、NIHの「組換えDNA諮問委員会」(1974年-現在)を選び、それらの歴史的分析を行った。 2 日米の比較分析 日米比較の視点から、生命倫理諮問委員会の合意形成モデルに関する考察を行った。また、遺伝子研究に関する歴史的考察を基に、日米に共通する事例として遺伝子治療の問題を分析対象とした。日米の遺伝子治療成立に関与した生命倫理諮問委員会の役割を検討した。特に、米国における遺伝子治療の成立において、NIHの「組換えDNA諮問委員会」や「大統領委員会」・「生命医療倫理諮問委員会」がどのように関与したのかという分析を試みた。
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