2006 Fiscal Year Annual Research Report
探索型臨床研究において利益相反問題が被験者の意思決定と人権に及ぼす影響の解析
Project/Area Number |
18612002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長村 文孝 東京大学, 医科学研究所・研究拠点形成特任教員(特任講師) (90282491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 秀晃 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70322071)
大木 桃代 文教大学, 人間科学部, 助教授 (10306269)
長村 登紀子 東京大学, 医科学研究所, 講師 (90332585)
佐藤 典治 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (90162461)
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Keywords | 利益相反 / 探索型医療 / インフォームド・コンセント |
Research Abstract |
探索型臨床研究において、利益相反問題の被検者への開示方法ならびに説明の仕方、すなわち、実施計画書および説明文書にどのように反映させ、情報開示を行うのかは大きな問題である。また、臨床試験において、利益相反に該当する可能性を有する利害関係を有する医師が責任医師を務めることが可能なのか、可能ならばどの程度の関係まで認められるか、認めるための条件に関して本邦においてコンセンサスが形成されている状態ではない。この様な状況に対応する事を目的として本研究は始められた。現在は金銭的な問題を背景とした利益相反の問題が重要視されているが、実際の被験者では医療者側の利潤の問題よりも、より多くの被験者を登録する、あるいはより良い結果を得るという学術的な誘導の問題、すなわちintrinsic Conflict of Interestの方が被験者は重要視する傾向にあることが判り始めてきた。一方で、医療者側の利潤に関連した情報の開示は世界的に厳しくなる傾向にあり、開示すべき項目も多岐に渡るようになっている。これらの変化には実施計画書および説明文書での開示や開示方法の検討は追いついていないのがほぼ全ての施設・研究で実情であることも判明してきた。 上記の結果をふまえ、実際に医療行為を受け、その結果が自分の生命あるいは健康状態に深く関わる探索型臨床研究の被験者と、臍帯血バンクへの胎盤・臍帯血の提供者およびマッチングさせた健康者との比較を行いながら、臨床試験に関連した他の項目との理解度あるいは重視度の比較を現在行っており、平成19年度中には結果を取りまとめる予定である。
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Research Products
(7 results)