2006 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における遺伝医療の倫理ガイドライン作成に関する研究
Project/Area Number |
18612003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
福嶋 義光 信州大学, 医学部, 教授 (70273084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 晃洋 信州大学, 医学部, 助教授 (70262706)
涌井 敬子 信州大学, 医学部, 助手 (50324249)
玉井 真理子 信州大学, 医学部, 助教授 (80283274)
古庄 知己 信州大学, 医学部, 助手 (90276311)
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Keywords | 遺伝カウンセリング / 遺伝子診療 / ELSI / ガイドライン / 遺伝情報 |
Research Abstract |
医療における倫理に関する問題でわが国が早急に取り組まなければならないことの一つは,「医療において遺伝情報(genetic data)を取り扱う際におこりうる倫理的問題を整理し,それぞれの問題についての対応方法を検討すること」である.今後早急に,得られた遺伝情報の医療としての意義の吟味,遺伝情報を患者・家族に伝える方法および支援する方法(遺伝カウンセリングの方法),遺伝情報を適切に扱うための医療体制の在り方,遺伝情報をめぐる種々の倫理的問題の解決方法などについて,具体的な方策を検討する必要がある.H18年度,信州大学遺伝子診療部で行ってきた,チーム医療としての遺伝カウンセリングを詳細に分析し,次項のような倫理的問題が関係する課題があることが明らかとなった. ・治療法・予防法のない疾患の発症前遺伝学的検査 ・選択的中絶が選択肢となりうる出生前診断 ・同意能力のない未成年者・知的障害者の遺伝学的検査 ・血縁者への遺伝情報の開示 ・生命保険・医療保険の問題 ・当事者間で意思が異なる場合 ・紹介医との遺伝情報の共有 ・診療録の管理・保存 ・遺伝学的検査の費用の負担 ・研究的側面のある遺伝学的検査 ・遺伝学的検査の結果,判断が困難な情報が得られた場合 これらの課題に対するわが国の現状を明らかにするために,次年度臨床遺伝専門医を対象とした「遺伝医療における倫理的諸問題についての意識調査」を行なうことにしているが,その具体的内容について検討した.
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Research Products
(6 results)