2007 Fiscal Year Annual Research Report
抗TRPVチャネル抗体を利用した癌性疼痛のコントロール
Project/Area Number |
18613001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柳澤 輝行 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (90133941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷内 一彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50192787)
助川 淳 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30187687)
佐藤 岳哉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10312696)
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Keywords | 薬理学 / 疼痛 / TRPVチャネル |
Research Abstract |
本研究課題は、神経細胞において疼痛・痛覚情報形成の最終経路にTRPV1と呼ばれるカチオンチャネルが存在するという新しい知見を用い、このTRPV1チャネルの活性を阻害する特異的抗体を作成、応用することにより、難治性癌性疼痛に対する新しい分子治療薬を創生することを最終的な目的とする。前年度に作成した、TRPV1チャネル分子に対する特異的抗血清が、大腸菌で発現させたTRPV1・E3ループ融合タンパク質をウエスターンブロット法により高力価で認識するにもかかわらず、HEK293細胞に発現させたTRPV1チャネル分子を比較的低い力価でしか認識しないため、高力価抗TRPV1・E3ループ抗体を入手する目的で、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作成した。前年度に作成したTRPV1チャネル分子発現誘導HEK293細胞株抽出液を利用し、培養細胞系で発現するTRPV1チャネル分子を特異的に認識するモノクローナル抗体をウエスターンブロット法によりスクリーニングし、複数個のハイブリドーマを分離した。予想通り、大部分のハイブリドーマは大腸菌融合タンパク質のみを認識する抗体を産生することが明らかになった。さらに、この作成したモノクローナル抗体が、細胞表面に発現した状態の非変性条件下でTRPV1チャネル分子を認識するかどうかを、Cell ELISA法でスクリーニングし、陽性抗体を産生するハイブリドーマを得た。現在、このハイブリドーマの単細胞クローニングを継続中である。
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