2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18613002
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
下山 恵美 Teikyo University, 医学部, 教授 (10206253)
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Keywords | がん性疼痛 / 神経障害性疼痛 / 動物モデル / 神経浸潤 |
Research Abstract |
がん細胞の末梢神経浸潤による神経障害性疼痛のマウスモデルとして、物理的神経鞘破綻によりがん細胞の浸潤性を増大させるモデルを作成した。物理的神経鞘破綻はがん細胞移植直前に顕微鏡下に坐骨神経の神経上膜の剥離させることにより行った。神経鞘破綻のみを行った動物では疼痛症状は発現せず、光学顕微鏡による観察でも神経線維に影響はみられなかった。物理的神経鞘破綻後にがん細胞を移植したマウスでは、神経内にがん細胞の浸潤と神経線維の障害がみられ、行動学的には下肢の挙上など自発性疼痛行動がみられた。また、同側の脊髄後角表層細胞にc-fosの発現がみられた。下肢挙上時間を自発痛の指標とし、自発痛に対する薬物の効果を検討した。モルヒネ、オキシコドンはいずれも急性疼痛に有効な低容量では効果がみられなかったが、高容量では下肢挙上が抑制された。非ステロイド性消炎鎮痛薬の効果はみられなかった。現在、ギャバペンチンなどの抗けいれん薬の効果を検討中である。
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