2006 Fiscal Year Annual Research Report
痛みとグラビトロピズムを共有する原始性感覚の統合機序に関する研究
Project/Area Number |
18613011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
戸田 一雄 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (80134708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粂井 康宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30161714)
岡田 幸雄 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (60136687)
藤山 理恵 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (10274664)
ゼレド ジョージ 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (10363459)
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Keywords | C.elegans / 渦巻き反射 / 機械的刺激 / 低浸透圧刺激 / 化学刺激 / 侵害刺激 / 重力刺激 / 閾値 |
Research Abstract |
当該研究の目的は、生存に不可欠な原始性感覚である痛覚および重力感覚に注目し線虫C.elegansの侵害受容性逃避反射nociceptive withdrawal reflexである渦巻き反射coiling reflexと重力走性Gravitropismとを指標として、これらの原始性感覚情報の統合機構のメカニズムについて、電気生理学的ならびに分子生物学的に明らかにすることである。侵害刺激から逃避する反応はすでに単細胞生物であるゾウリムシで観察することができるほどの生体にとって基本的な生存機構である。この逃避反応は環形動物・線形動物では渦巻き反射となり、高等動物になると引っ込め反射に発展する。他方、地球型生命体にとって重力感覚は意識にほとんどのぼらないにもかかわらず生存に基本的な持続的刺激である。1Gの淘汰圧刺激が常に生体に加わっている。本年度は、C.elegansの渦巻き反射の行動学的特徴について解析した。具体的には、重力変化に伴う原始的な痛み受容行動である線虫C.elegansの渦巻き反射の閾値の変化を定量的に解析することに主眼を置いた。C.elegansにおいては機械的な反射閾値がヒトに比べてかなり低いこと、化学刺激には応答性が低いこと、低浸透圧刺激に対しては顕著な渦巻き反射を引き起こすことが判明した。重力刺激によりストレスを加えると渦巻き反射の頻度、持続時間とも抑制された。以上より、C.elegansは侵害刺激を受容可能な生体として存在しており、来年度はその受容メカニズムを遺伝子解析とあわせて行う計画である。
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